Prologue: プロローグ-1-



エイジ785__



まさかこんなことが起こるだなんて、思ってもみなかった。
思えばこれは、わずかに気を許したわたしの行動が生んだようなもの。

ある日のドクターゲロ研究所内で、事件は起こった。



起動を試みドクターゲロにより動き出された2体の人造人間が、その主人を前に、まるであざ笑うかのように微笑み押し迫った。
さすがのドクターゲロも、こうなることは予想出来なかった。


「お、お前たち…昨日までは大人しくしていたのに…だましおったか!」

「ふん…あの別の人造人間がいたせいで、手出しできなかっただけだ」

「あの女、随分とあんたに可愛がられてるみたいだしね。余計な邪魔が入っちゃ困るんだよ」

黒髪の少年と金髪の少女。
人造人間17号と18号の二人は、いたずらっぽく微笑している。

その笑いに少なからず身の危険を感じ、ドクターゲロは緊急手段を投げ掛けた。

「○○○が出かけたスキを狙ったわけか…そう簡単に歯向かえると思うな!ここに緊急停止用のコントローラーがあるんだ!」


手に握ったコントローラーボタンを押そうとしたその瞬間、17号が蹴り込んできた。コントローラーを握りしめたゲロの腕は、一瞬にして床に転げ落ちた。そして足元に転がったその腕を、今度は18号がコントローラーごと踏み潰す。

「き、貴様たち…!!」

「これ以上眠らされるのはごめんだ」

吐き捨てるように17号は言う。

「こざかしいマネを…!作り直せば済むことだ!」

そのゲロの言葉に17号と18号は顔を見合わせ笑った。

「残念だけど、それは無理かもね」

「悪いがここで死んでもらう」

「何…!?」



ドクターゲロに迫る二人。

ドクターはその時何を思ったか…
もしわたしに助けを求めていたとしたら…

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