第一章






その日は日頃と何ら変鉄の無い日だった。


朝、短刀その他大勢の目覚ましラッシュで起床し、寝間着から普段着に着替え、皆で光忠手製の朝食を摂り。

昼、近侍のまんばちゃんが期日の近い順に整理してくれた書類仕事に没頭し、光忠手製の昼食(という名の軽食)を摂り。その後仕事の合間を縫って短刀たちと戯れたり、内番中の皆の様子を見に行って手伝ったり、戻ってくるのが遅いとまんばちゃんに捕獲され仕事の続きをしたり、出陣遠征で居ない者を除いた皆と縁側で大倶利伽羅手製のずんだ餅を食べたり。

夕、出陣遠征から帰ってきたメンバーを労りつつ夕食までに今日の仕事ノルマを片付けて。軽く入浴を済ませれば太刀、大太刀組が酒で騒ぐ空間に突進して一緒に飲んで。程よく酔った所で皆におやすみの挨拶をし、自室に戻って。既に敷かれていた布団に有り難く潜り込み、何処からかやってきたこんちゃんを抱き枕に入眠した筈だった。


なのに、次に目が覚めれば視界に広がったのは木々が生い茂り日陰が続く見知らぬ森の中。



「いや…ど…え?何ここ、本丸の裏庭じゃないよね?どこ?え?まさか寝ぼけて戦場出ちゃったの?え???」

「桜様落ち着いて」




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