後悔

 眠るたびに、あの扉の夢を見る。真っ赤なあの扉。楽しげな音楽が漏れ聞こえる、不気味な扉。ユラはその扉をぼうっと見ている。あれに近づこうとは思えない。ましてや、開こうなど……。
 けれど、扉はひとりでに開き始める。いつもそこで目が覚めるのだ。

「えー、何それ。扉、開けてみちゃいなよ!」
 友人はけらけらと笑いながら言った。
「開けられないよ。怖いじゃん!」
「でも、開けたら、もうその変な夢、見なくなるかもよ」

 ……。
 やはり、今日もあの夢だ。赤い扉。友人の言葉を思い出す。でも、開けたら、もうその変な夢、見なくなるかもよ=B
「……」
 意を決して、ドアノブに手をかけた。ぎいぎいと軋む扉をゆっくりと開けていく。扉の先には、扉のような真っ赤な顔の悪魔が立っていた。口が耳まで裂けている。そんな彼が、にやりと笑った。
 これは罠だった。開けてはいけなかったのだ。悪魔がゆっくりと近づいてくる。扉を開けてしまう前に戻る方法があるなら、誰か教えて欲しい。