第4話
「ていうかさ、#ナマエ#すっごく仲良くなってない?」
「え?」
バンドウくんと握手しながら眞魔国に来ちゃった俺は、俺のそっくりさん救出大作戦!のため、砂漠のど真ん中を横断中ー。
「えっと.....私は置いてきぼり.....?」
「#ナマエ#は危険だから城で待ってなよ」
「危険なのはユーリも一緒でしょ?」
「#ナマエ#が一緒に来てもやることないだろ」
「むっ!でも、ユーリよりは役に立つもん」
って、ついてきちゃった#ナマエ#がお馬さんの上で何故だか物凄くみんなと仲がいいんですが。
別に普通だよー。ねぇ?って何コンラッドに同意求めちゃってるの?てかなんでコンラッドもねぇって返しちゃってんの?もう息ぴったりじゃん。
「てか、俺より役に立つってなんだよ」
「へなちょこ有利よりは役に立つと思うよ」
「へなちょこ言うな!」
「#ナマエ#は役にたってますよ。こうやって場を和ませてくたり、ね」
ほんと俺のいない間にメチャクチャ仲良くなっているんですけど。いやね、仲直りしといてとは言ったけどさ。人見知りの#ナマエ#がこんなに早く打ち解けるなんて正直、意外。まぁ ケンカするより全然いいけどさ。....お兄ちゃんちょっと妬いちゃうよ?
.............それにしても。.....あつい。あつすぎる。砂漠なんだから当然なんだけどさ、なんで皆、あんなに涼しい顔してられるわけ?コンラッドやグウェンダルはまだ分かるけどさ、なんで#ナマエ#すら平然としてるの。
あー。せめて前に座っているのがヴォルフラムじゃなくて美少女だったらなぁー......ってまぁ、少女よりも断然可愛い美少年なんだけどさ...
「あ。ユーリ、その顔。美少女とのダンデムだったら良かったのにー、とか思ってるんでしょ」
「え?!」
「なんだと!?僕というものがありながら...この尻軽!!」
「そうだよ、ユーリ!ヴォルフラムっていう婚約者がいるのにそんな事ばかり考えてるから、へなちょこって言われるんだよ?」
「へなちょこ言うな!........て、え!?
なんで#ナマエ#がそれ知ってるの!?てかなんでナチュラルに受け入れちゃってるの!!?」
「なんでって...。
ヴォルフラムにも聞いたし、みんなも話してるし。
それに有利から求婚したんでしょ?
最初は驚いたけど....。ヴォルフラムって王子さまみたいに美少年だしメンクイ有利が一目惚れするのもわかるよ?でも、出逢ってすぐに求婚しちゃうなんて有利がそんなに積極的だったとは、#ナマエ#はビックリなのです。」
「ちょ、#ナマエ#!?驚くところ違うから!てか俺たち男同士だし!俺にはそんな趣味はないからっ!!」
「まったくユーリは。僕と二人きりでないと素直じゃなくなるな」
素直ってなんだよ!#ナマエ#もなんで納得してるわけ!?言いくるめられた?言いくるめられたの!?
という事は何か?これから俺は、片割れにそういう趣味だって思われながら生きていかなきゃならないってわけ!?
あーもう、水でも飲まなきゃやってられないよ。やけ酒ならぬやけ水だい!
「ヴォルフラム、みず。喉乾いた!」
「ん?ああ。大事に飲めよ」
........ですよね。砂漠で水は貴重ですもんね。普通に美味しくいただいます、はい。いやー、砂漠での水は極上だね!身体にスーとしみわたるよ。
それにしても、#ナマエ#とヴォルフラムは俺を挟んでまださっきの会話を続けるし。てかコンラッド、#ナマエ#の後ろでニコニコ笑ってないで二人をとめて!
なにが「ヴォルフラムのネグリジェ姿かわいいよね」だよ。思わず水筒落としちゃっちゃったじゃん。はぁ。砂漠の真ん中で極暑だっていうのに俺のこころは冷めてく一方だよ。
「あ。ユーリ、水筒おとしたよ?」
とか言いつつも、馬から降りてパタパタと水筒を拾いに来てくれる辺り、俺の妹まじ優しい。.....て、なに俺シスコン発言してるの!?
「あれ?コンラッド、パンダがばんざいしてるよ?」
「....パンダ!?」
#ナマエ#がかわいいって続けるのと誰かがそう叫んだではどっちが早かっただろうか。そして、
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
#ナマエ#の悲鳴が響いたのはその直後だった。足下が崩れ落ち俺の身体も砂の底へと滑り落ちていった。俺も声をあげていたのだと思うが、辺りは一気にパニック状態となり至るところから悲鳴があがっていた。
「うわぁぁぁ!」
「.....砂熊だ!!」
砂熊!?よく分からないけど、やばい。やばいって。ドンドン底に引きずりこまれてく.....!
.....!?あれは、ヴォルフラム!?そっか、俺より先に落ちて....!!!って、その先にいるのは.....#ナマエ#!?そうださっき#ナマエ#の悲鳴が!!俺が落とした水筒を拾いにこっちに来てたからっ....。くそ、どうすれば――.....。
「.....!....グウェンダル!?コンラッド!?」
「さぁ、陛下。グウェンダルに掴まって上がってください」
砂に埋もれ為すすべもなくなっていた俺の腕を間一髪でグウェンダルが上から、コンラッドは下から支えてくれたのだ。けれど―....
「#ナマエ#が!ヴォルフラムが!」
「分かっています。だから陛下、早く上がって――」
「コンラート!まさかこいつを放って行くつもりではあるまいな!」
「!?.....だが、グウェンダル。ここには姫も落ちて――」
「妹君より、魔王陛下自身だ!
それにヴォルフラムだって一人前の武人だ!」
.....なんだよ。何言ってんだよ!#ナマエ#が、ヴォルフが、大勢の兵士が落ちたんだぞ!?なのに俺が優先って!
なぁ!俺なんか守ってるより#ナマエ#を、あんたたちの弟を.....!
「――陛下、命令を」
「.....え?」
「俺に姫を助けに行くように、命令してください」
グウェンダルがコンラッドの名前を呼んだみたいだったが、そんな事俺には関係がない。
――あぁ、コンラッド、お願いだ.....。
「.....俺の妹と、あんたの弟を助けてくれ。
命令だ、コンラッド!#ナマエ#とヴォルフを助けに行ってくれ!」
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