ある星明かりが美しい夜、名前の屋敷でディナーパーティーが行われた。
シャンデリアが輝くだだっ広い部屋に様々な食事が乗せられた机があり、まさに貴族の食事という雰囲気が出ている。
鳥の丸焼き、ローストビーフに皿沢山に溢れたキャビア。高級な食べ物ばかりだ。この屋敷の主人の懐の深さが伺える。
がやがやと貴族や、東インド貿易会社の幹部、海軍の総監など身分が高い人ばかり招待されているらしい。
そのなかに海賊であるジャックスパロウ、バルボッサも招待されていた。
「何でお猿さんがいるんだ!?」
「こっちのセリフだ。何でお前がいる?」
「名前に招待されたんだぜ。」
いいだろうと言わんばかりに滑らかな筆記体で
『ジャックへ。私のディナーパーティーに
来ないかしら?愛を込めて、名前』
と書き添えられた招待状を見せつけた。
「偶然だな。俺もだ」
ニヤリと笑みを浮かべながらバルボッサも胸元のポケットから招待状を取り出し見せつけた。
「はっ…俺と一夜を過ごす為の口実じゃなかったのか…」
ジャックがうろたえていると
「何で君達がいるのだ?名前に招待されたのか?」
「勿論さ、俺の名前はこんな夜に呼び出すほど俺に会いたいらしい」
「「お前/貴様のではない!!!」」
こればかりは2人の声が揃った。
「これはこれは、騒がしいかと思えば貴様ら海賊と提督様ではないか」
皮肉な口調で話してきたベケット卿は目を細め三人を睨んだ。
「貴様らが呼ばれるとは。名前はどうかしたのだろうか」
「俺はお前の様な堅いやつを呼んだ名前が心配だ」
ジャックは「お分かり?」といつもの呑気な口調でベケット卿に返した。
ベケット卿の睨みがますますキツくなった。
『あら、みんなお揃いで。ようこそ我が家へ』
黒のマーメイドドレスを身に纏い、緩く巻かれた艶やかな髪、耳にはダイヤモンドが輝くピアス。唇には色っぽい深紅のルージュ。そう、この容姿端麗の女がこの屋敷の主人、名前だ。
「「「「名前!!!」」」」
4人の男たちが名前に駆け寄る。
「招待ありがとう。私からの礼の品だ。気にいると良いのだが」
ノリントンは彼女に小さなハートがついたネックレスを贈った。
「すごく可愛い…良いの?こんな物貰って…」
「勿論だ。君の為に選んだのだから」
そう言いながらノリントンは彼女の首にネックレスを付けた。
2人が良い感じのムードになっているのに流されてた3人はハッと気付く。
「あの野郎…名前を誑かそうとするんじゃねぇ」
「全くだ。物で手なづけるなんて男として情けないな」
「たかが提督のクセに…まぁいい。贈り物なんていくらでも与えてやろう」
それぞれから殺気立ったオーラが漂う中、ノリントンは余裕の表情を浮かべていた。
『さぁ、パーティーの始まりよ。」
そう言って男達の名前を巡る闘いの幕は切って落とされた。