薄闇が夜に変わった頃、屋敷ではパーティーが始まろうとしていた。
ベケットの愛する名前の誕生日パーティーである為、屋敷中の至る所までローズピンクを基調とした豪華な装飾が施されている。
光に当たり、輝くシャンデリアの下ではベケットに手を引かれパーティー会場に着いた名前が会場を見て思わず嘆息した。
「…カトラー!なんて素晴らしいの。完璧に私好みにしてくれたのね。ありがとう。」
「当たり前だ。君のために用意させた。」
名前はふんわりとさせた膝上の淡いピンクのドレスに、シルクであしらわれたゴールドのストールを肩に巻き、キョロキョロと辺りを見渡す姿を見て、ベケットは不意と顔がほころんだ。
「随分喜んでくれているようだ。」
「当たり前じゃない。」
キラキラとした笑みをこぼしながら名前はベケットに腕を引かれ、パーティーの本会場へと向かった。
着いた先では、沢山の招待客が着飾り、談笑やドリンクを楽しんでいた。
パーティーの主役が登場したため、皆一斉にこちらに視線を向けた。
そして、ベケットに手を引かれるまま席へと向かう。
その中では招待客が口々と名前へと祝福の言葉を送る。
「ベケット卿がこれだけ躍起になるのもわかるな。恋人がこれだけ美しかったらな。」
「それはそうだい。''あの''ベケット卿がご執着されるくらいだからな。」
そんなこともつゆ知らず、2人は席へと着いた。
招待客とたわいの無い会話や、有名なシェフが腕を奮った料理、ワインなどを楽しみ、パーティーは無事終わった。
人が居なくなり、静まり返った屋敷。
辺り一面が暗くなった夜中。
部屋では、ベケットと名前は豪華なソファーの上で2人だけの時間を楽しんでいた。
「今日は素敵なパーティーをありがとう。言葉では言い切れないわ。」
「構わない。君のためなら。喜んでくれただけで私も嬉しい。」
普段、仕事では絶対に見せないような微笑みで、名前の頬を撫でる。
「沢山プレゼントを頂いちゃったわ。」
ガラスで出来たテーブルの周りには、山積みの様に豪華な包装されたプレゼントの山が出来ていた。
「開けるのにも時間がかかりそうね。」
「私からはまだ渡していなかったな。」
プレゼントを開けようとした名前は、振り向く。
ベケットの手には何やら小さなゴールドの箱が乗せられていた。
「君にこれを渡したかった。」
受け取った小さな箱を開けると、ピンクダイヤの指輪が眩く輝いていた。
ベケットはそれを名前の左薬にはめる。
まさに名前にピッタリのサイズで作られており、指の上で煌めく。
「…」
名前は感激の余り、言葉が出せなかった。
「世界中で一番価値のあるのを用意させた。まさに名前の様に美しい。…私の妻になってはくれないか。名前。」
名前は思わずベケットに溢れる想いをぶつけるかのように両手で頬を包み、強引にキスをした。
答えはYesだと強く示すかのように。
その後、貪るかのように愛を確かめ合った2人であった。