運命が変わった1回目


目の前で後輩が死んだ。

突然の事でワシはなんも出来ひんかった。

ワシの目の前をトラックが横切った。

そこは後輩がいた場所やった。

急いで後輩の元へ行って声をかけたものの、後輩からの返事はなかった。即死や。

あまりにも突然な事で、ワシはその事をなかなか受け入れられへんかった。

せやけど、どないに現実を拒否したところで結果は変わらへん。後輩は死んだ。





後輩の葬式の後、カラスがワシの家の前にとまっとった。えらいおっきなカラスや。

本来群れをなすカラスが1匹だけそこにおるのは違和感を覚えた。

近づいても、不思議なことにそのカラスは逃げへん。

挙げ句の果てに、しっかりと目線を合わせてきて言うてきたねん。


「過去を変えたい?」