蠍座/syp
彼女は色々な意味で毒を持った人だった。俺はあの人に一目惚れをしていた。あの人が振る舞う礼儀。綺麗な剣さばき、一線の迷いのない銃の使い手でだった。彼女はどこの欠点がなく何もかもが完璧でとても素敵な人だった。
ある日、彼女は亡くなった。何が悪いのか分からないが彼女は自分で持っていた毒を使って自殺したらしい。なぜ、そのようなことをしたのか俺は分からなかった。何も欠点も無ければ周りの幹部とも仲良くて使いの者にも優しく人あたりのいい人がなんで死んだのか分からなかった。
俺らは彼女の死んだ理由がわからなかった。俺が一番近くにいたし。周りの人よりは身近にいたけど、自殺するような人じゃなかった。俺はただ、それを言うだけだった。
「彼女の死ぬ理由なんて分かりませんよ。前日だって元気に明るく接してくれてたっすよ。死んぢゃうなんて分かるわけないでしょ」
無意識に怒鳴ってしまう。彼女が消えたことにより俺の心に穴が空いてしまったのか。そんなやわな人間じゃなかったすけどね。
銃の練習をしても隣には彼女がいない。いつも一緒に剣の練習をしてくれない。休憩の時にはいつも楽しい話をしてくれた人なんてもういないんだなって思って一人で水を飲む。
彼女の部屋に行ってはいつも書類を書いていた机を触り、彼女はここで死んだんだななんて思いながら俺は辛くなってしゃがんでしまう。
「先輩、どうしてあっちに行ってしまったんですか」
机を持ちながらしゃがむとなにか弾みなのかガタンと言って隠し引き出しが開く。俺は空いた場所を見ては白色の綺麗な厚みのある封筒があった。俺はもしかしたらこれは遺書なのかと思い、無意識に封を切ってしまう。こういう時はくそ先輩とか兄さんとかの前で開けるべきなのかもしれないが俺はそんなこと今の状況じゃ出来なかったんだ。
入っていた手紙を読み始める。
_この手紙が読まれているってことは私がこの世に居ないってことですね。そもそも、隠してあった手紙だから見つかることないよね。まぁ、とりあえず最初に私は元々W国の軍人じゃなかった。本当はA国の軍人で潜入をしていたんです。なぜ、このようなことしていたのかと言うと金が必要だった。妹や弟達を生かすためにはお金が必要だったです。
そのためにはW国の情報を持ってくれば金を渡すと言いわれ私は潜入しました。
だけどもあなた達と関わっていくうちにだんだん、私が居ていい場所なのか。こんな所に本当はいていいのかと考えていた。A国からの催促を受けて私はA国に戻らないと行けないんだなって思ってしまった。
夢現の時を覚えてしまった私は戻れない。それなら死んでしまおうって思った。ただ、それだけ。
我が後輩のショッピ君。君は剣さばきも綺麗なり誰よりも銃を上手に使えるようになっている。自信を持って戦争で活躍できる。本当は傍で見ていたかったけどそんなこと出来ないんだ。ごめんな。_
そうやって綴られた手紙があった。俺はその場から膝から落ちてしまった。彼女を救える方法があったのか。彼女を毒で自殺していいような人じゃないのに。
「貴方の口から俺は言われたかった。褒められたかった。もっと傍で見て欲しかったっすよ」
ただ、俺は泣くことしか出来なかった。
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