「それにしても良く出来た城ね」
アイスがフォークに言うと続けて
「大変上質な砂糖を溶かしてビスケットやケーキを積み重ねてくっつけて作り上げられた城なので、我々も気に入っています」
とフォークがアイスに話した。
「ここはアプリコット姫が全て取り持っているのかしら」
「いえ。王様がいらっしゃいます。王様は今、新たな公共事業を進めておられまして…
上質な砂糖を探す旅に出ておられるのです。
その間に姫様がおかしの国を御守りになられているのですが…
最近は妙な話を聞くのです」
フォークが続ける。
「妙な話…?」
「この国に黒いカラスの出現がよく目撃されているのです」
「それって、アリシアが見たというカラス…」
アイスとルミエールは真剣な表情でフォークの話を聞いた。
「とても嫌な予感がするのです。
我々はカラスの出所を調べている最中なのですが、情報が未だに分からず… 」
「カラスは生ゴミを好む。腐ったお菓子が紛れてしまっているのでは?」
ルミエールが考えながら話す。
「我々もそれを考えましたが、この国で作られたお菓子は全て上質であり、腐ることのない魔法が国中のお菓子に練り込まれているので、腐ることはないはずなのです…」
「だとしたら何かしら」
「今そのカラスの群れの目撃情報としてはおかし山の麓にある”帽子屋“だとされています」
「帽子屋?」
「はい」
アリシアが見たとされるカラスの群れも山の麓であった。
「その帽子屋に何かあるのでは…?
帽子屋には訪ねてみたの?」
「もちろん訪ねましたが、帽子屋は不在なことが多いようで、へんてこなうさぎと居眠りねずみしかおらず、話にならなくて…」
「そうなのね…」
そうこうしているうちにアプリコット姫の待つ
お茶会の会場に辿り着いた4人。
「色々、教えて下さってありがとう」
アイスはフォークにお礼を言った。
「我々はここまでで失礼致します。後は使いの者がご案内して下さりますので、ごゆっくり」
スプーンとフォークは一礼をして、戻って行ってしまった。
「あのフォークという兵から色々聞いたわ。
貴方が見たカラス。どうやら、”帽子屋“と関係しているみたいなの」
「帽子屋…?」
アリシアは目を点にしている。
「とりあえず、カラスのことは後ね。
先ずはアプリコットとのお茶会に出席しなければいけないわ」
アイスは言った。
「お嬢様、ようこそお越し下さいました。
どうぞこちらへ」
メイドと使いの者が会場に案内する。
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