いってらっしゃい【主2】
驚いた。
まだ5歳の類くんが、あんなことを言うなんて。
正直、実は5歳じゃないんじゃなかろうか…なんて思ったりもしたが、生まれてから今日までずっと彼を育ててきたのは零さんと私自身だったわけで…
当然疑問や謎は尽きないけれど、追及はしないと決めている。
だって、どんな類くんであれ、私と零くんの大切な大切な息子であることには変わりないのだから。
正直、キッパリハッキリと"守る"*宣言をした類くんは零さんそっくりだと思った。
正義感が強くて、強い意志を持ってて、優しくて、それを言葉に出せる勇気も持ってる。無謀とは違う。
ただひたすらに"信じてみよう"と思わせられるところ…本当にそっくり。
ふふっ!やっぱり、間違いなく類くんは、零さんの息子ね。
「いってらっしゃい!」
零さんを見送ってから、類くんに視線を移す。
類くんも、もう少しで小学一年生。
時には失敗し、壁にぶつかることもあるだろう。それでも、前に進んでいける子に育ってほしい。
「よぉし!類くん!今日も元気にいきましょー!」
「おーー!!」
私が右手の拳を挙げると、類くんも真似をする。
かわいいかわいい私たちの息子。
どうか立派に成長してね。
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