「こ、ここかなぁ……」
『モーニング娘。10期、11期、12期募集!』と書かれたビラの地図を確認し、目の前の扉を見上げる。
『MORNING MUSUME。』と書かれた札が掛かっている……間違いない。ここがモー娘の部室だ。
「……っうぅ、、」
いざ扉に手をかけると、……緊張で開けられない。
「こんなところで緊張してどうするの……あぁでもやっぱり……うぅ……」
ハロープロジェクトスクール、通称『ハロスク』『ハロプロ学園』。
20XX年、アイドル活動を含む芸能活動が見直され、各芸能事務所は事務所名をたてた学校を設立することが義務付けられた。
その学校っていうのは平たくいえば芸能人養成学校。
政府の説明によると、芸能活動をする、もしくは目指す学生が、不自由なく学業と芸能活動を両立できるように、とのことだった。
そしてハロプロが建てた学校に、私・名嶋香波は無事入学できた……んだけど。
こわい。
震える手でドアノブに触れる。
入学式の時に聞いたつんくさんの声が甦る─────
『この学校に入学したっつーことは、ハロプロ事務所に所属したことと同じやから、皆さんには研修生として、どこかのグループに所属してもらいます。
皆さんが憧れとったメンバーももちろんOGとしているわけやし、皆さんが好きなグループに所属するも良し、各グループが力を入れていることは当然ちゃうからそれで決めても良し。
ただ、『研修生』から『正規メンバー』になれるかどうかは、皆さん次第ってことや』
つまり、この扉の向こうには、今も現役で活躍するメンバーがいる……ってこと。
……だけど、わたしはモー娘に入りたくてこの学校に入学したんだ。
モー娘の歌に、パフォーマンスに、……何より舞台に憧れて。
こんなところで、びびってる場合じゃない!!!
「……よし!」
震える手にきゅっと力を入れて、部室の扉を開いた─────────
「失礼します!モーニング娘。所属希望で来ました!」
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