Dream in Dream
16Lake at evening
それから私は裏庭の丘をのぼり、湖が見えるガゼボに連れられた。
白亜に統一されたガゼボとテーブルにイス、そこには美しいレースや鮮やかな花が飾られている。
風に吹かれながら湖の揺らめく水面を眺めていると、美味しそうな香りがただよってくる。
「お待たせ致しました」
「エマ!ステイシーさんも」
「あら、エマってば、もうそんなにカノン様と仲良くなったのね」
「えへへ〜。ところでカノン様、王子様とのデートは順調ですか?」
「でっ、デデデート!?」
「エマ、カノンを照れさせて良いのは僕だけだよ」
「あらやだお熱いこと。ね、エマ」
「ふふ、ほんとに。では邪魔者は退散するとしましょう」
「デザートをお持ちして良い時はこのベルを鳴らしてくださいね」
……折角美味しい料理なのに、ドキドキするのとエマ達のせいで、半分くらい味がわからない……
「あ、カノンのそれ、美味しそう」
「?キッシュですか?」
「そう!名前でてこなくて」
「ふふっ、アレクさまもそんなことあるんですね」
「そりゃあね。僕も人間ですから」
さっきのドキドキするムードとは一変し、くだらない会話をしながらキッシュを一口大に切る。……今ばかりは感謝するわ、エマ……
「はい、どうぞ」
「……えっ?」
「?」
何故か顔を赤くして固まるアレクさま。
……変な顔はしてないと思ったんだけど……あ。
「っああああごめんなさい!ちがうんです!」
「いや!!!頂きます!!!ありがたく!!!!」
ナチュラルに『あーん』してた……恥ずかしい……
引っ込めようとするもアレクさまの抵抗にあい、……仕方なく、恥ずかしいのを我慢し。
「あ、あーん……」
「……ん」
和やかなムードから一変、またしても甘いムードに。まだデザートも来てないのに。
「……カノン様のお皿にだけアレクシス王子の好物、キッシュを入れておいて正解でしたね」
「流石ステイシーさん、尊敬いたしますわ」
「ふふ、これも全てお二人の幸せのため……」
そんな風に影でほくそ笑む二人のことなど、つゆ知らず。
……そして、デザートには私にはマカロン、アレクさまにはいちごのタルトが出て、お互いにまた「あーん」し合ったことは……誰にもいいたくない……
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