Dream in Dream

08First Contact

「……着きました。こちらの桜色の扉がカノン様、深紅色の扉がフレア様の部屋でございます」

「すっごい……」

私の部屋の扉は銀、ふーちゃんもといフレアの部屋は金の装飾が施されている。

「私はお二人のご案内人であり、使用人長は兼任でございます。
部屋の中にお二人それぞれにつく使用人がおまちしております。
何かありましたらそちらにお申し付け頂ければ大体のことは大丈夫です。

……これからは儀式のこともあり二人が別行動することが増えてしまうため、私はいつもお二人にはお付できませんが、何かありましたらこれでお呼びください。」

そう言ってステイシーさんは菫色のリボンを私たちにひとつずつ渡した。

「こちらを解いて頂ければ、私にすぐ連絡が行きます。
使えるのは一度きりですが、使った度に私が新しいものと取り替えますので」

「ありがとうございます。……短い間でしたが、お世話になりました。」

「ありがとうございました」

私に倣いふーちゃんもぺこりとお辞儀をする。

「いえ、当然のことをしたまでです。
……お二人の未来に、幸多きことを。」



「ようこそ。お待ちしておりました」

扉を開けると、綺麗な赤毛に漆黒のメイドエプロンの使用人さんがいた。

「カノン様お付のメイドの、エマと申します。よろしくお願いします」

ふわりとスカートの裾を持ち上げて綺麗にお辞儀をするものだから思わず見入ってしまった。

「あっ、ご、ごめんなさい!カノンです、1週間お世話になります」

ぺこりとお辞儀を返す。

「ふふ。1週間とは言わず、ぜひ長くお使えさせてくださいね」

「……エマさん……っ」

笑顔が本当にかわいい。
ステイシーさんとは別の魅力がある人だ。

「カノン様は恐らくこの世界のことをあまりご存知ないと思うので、できる限りの事は教えますね!
えっと、とりあえず今日の午後3時から王子様とのご対面式があるので、お辞儀と挨拶だけでも!」

「きょ、今日の午後、3時……?」

「大丈夫ですよ、まだ10時です」

「そ……っか。
……あ、の。失礼ですが、いくつですか?」

「?18歳です。」

「あの!わたしの方が年下ですし、その……敬語とか、大丈夫です」

「カノン様……お気持ちは嬉しいのですが、いくら何でも……」

「っじゃあ!わたしの、命令!」

「……そう言われると、断れませんね。
私、なかなか敬語が抜けないのですが、できるだけカノン様がお側に感じられるようつとめます!」

「ありがとうございます……その方が、心強いや」

「……カノン様……?」

「……実はね。こんな素敵なドレス着て、可愛い靴履いて、いろんな人に大事にしてもらって。
すっごく嬉しいんだけど、……でもちょっと、怖くて。不安で」

「……そういうことなら、このエマが、ずっとお側にいますよ」

「……ありがとう、エマさん」

「ふふ、姫様こそ、エマって呼んでください」

「……うん!よろしくね、エマ」

「こちらこそ!」

それからエマに作法を色々教えてもらって、食欲の無い私のために軽く食べれるものを準備してくれた。
初めて食べるこの世界の料理は、ウェイカーのものとあまり変わりはないけど、でも美味しかった。

……そして、迎えた午後3時。

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