「お、珍しい。買い物か？」

「あ、萩原さんだ。お仕事？」

「よく分かったな」

「そりゃあそれだけ重装備だったらね。というかテレビで爆発物見つかったっていってたけど、ここだったんだ」

「分かってて来たんじゃないのか」

「そんな野次馬精神はないよ。無事におわったの？」

「あぁ。ただの悪戯だったからね。俺の出番はなかったよ」

「そっか。お疲れ様」

「あー…珈琲飲みてぇなあ」

「…遠回しに店開けろって言ってる？」

「どうかなー」

「ちょ、萩原さん、重いよ…」

「おじさんは辛いよ〜」

「まだ若いじゃん」

「珈琲飲んだら回復するかもしれない」

「回復しないかもしれない」

「…てかシャンプー何使ってる？めっちゃいい匂いなんだけど」

「…萩原さん、それってさあ」

「うん、ごめん。みなまで言わないで。俺もこれはアウトだと思った」

「それに気づいてるかは分かんないけど、これって女子大生に警察官が抱きついてるっていう構図になってるんだよ」

「…」

「うん、ごめん！私はいいんだよ！でもさ、同僚の人から勘違いされないように気をつけてね」

「…珈琲で許す」

「はいはい。心配しなくても今からお店に行く予定だよ」

「まじか。何時まで？」

「仕込みと精算が終わるまで」

「おっしゃ！早引きするわ」

「うーん。私としては仕事して欲しいかな」

「いいのいいの。こういう時のために有給残してるから」

「有給の使い方間違ってるよ…もっと充実した事に使えばいいのに」

「俺にとってはお前の店でのんびり珈琲飲むのが一番の有給だからねえ」

「飽きないねえ」




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