「はぁ…」

「おやおや、溜息をついてどうしたんですか?降谷さん。はい、ご希望の珈琲請け。今回は上手くできたよ」

「ああ、有難うございます。本当ですね、貴女にしては形が綺麗です。ところで最近、光を見ましたか?」

「一言余計ですよ。油井さん?見てないなあ…何だかちょっと遠出するって言ってたのでてっきり仕事かと」

「仕事な訳ないだろ…!絶対あれだ…赤井に連れ出されたんだ!!」

「あー…一理あるかも。この前部屋でなんか話してたし」

「いつの話だ?」

「怖い怖い!顔が怖いよ!降谷さん!」

「い つ の は な し だ ?」

「…1週間くらい前かな…因みに油井さんが見当たらないのって…?」

「3日前だ。1つ仕事を片付けて待機命令を出してる間に姿を眩ませた。同時期に赤井も仕事だと仲間に告げて休暇を取ったことは調べがついている」

「他国の捜査官ストーカーするとか暇人かよ」

「何か言いました?」

「いーえ!滅相も無い!油井さんのことだし全部計算済みっぽいねえ」

「チッ…まあいい。戻ったら仕事増やしてやる」

「うわ、悪い顔!そんな降谷さんには、もれなく私が珈琲一杯奢ったるよ」

「そうですか。ならブルマンでお願いしますね」

「え、指定しちゃう?指定するの?」

「余りの豆を掴ませられるのも癪ですしね」

「うわーまあいいや。あとで油井さんに請求するから」

「あぁ、その手があったな。この店で1番高い豆は?」

「ブラック・アイボリーかな。所によっては時価だお」

「じゃあ、それを持ち帰りで2杯頼む。支払いは光のツケで」

「うわあ、降谷さん、いいお顔!私も飲みたいから3杯分請求しよう」

「全く貴女も調子がいいですね」

「油井さんには振り回されてるしこれくらいいいかなーって。あ、降谷さんにこれあげる」

「…一応聞きますけどこれは何ですか?」

「商店街の福引きで当たった入浴剤。お疲れふるやんに丁度いいかなって思って」

「…その呼び方は止めろ」

「ふふふ〜嬉しかろう。これを使ってしっかり体を休めたまえよ」

「風呂に浸かる暇もない俺に対しての嫌味か?」

「何でそうやって斜めに取るかなあ。クリスマスも近いし単なるプレゼントって事で」

「あぁ…もうそんな時期か」

「待って待って!そんなどんよりしないで!ごめんね!仕事なのにね!」

「憐れむな」

「じゃあどうしろと?!」

「…」

「ふるやんだいぶ疲れてるね」

「時間が足りない…誰だ、1日24時間と決めたのは」

「あ、相当キてる…此処に来る時間で眠れるのでは?」

「此処は俺の唯一の楽しみなんだから良いんだよ」

「デレた…!降谷さんがデレた!」

「…」

「うん、ごめんね。スタッフルームに簡易ベッドあるけど寝てく?起こしてあげるし」

「…有難いがそれは…」

「いいからいいから。はい、背広脱いで〜ベッドはこっちですよー」

「おいっ…!」

「珈琲の香りはリラックス効果あるって前言ったでしょ〜?ほら、だんだん眠たくなって来るよ〜」

「…15分で起こしてくれ」

「はいはい」

「…それから風見が来たら…」

「うん、伝えとくよ」

「…助かる」

「ふふ、お休み、降谷さん」




back