平和に行きましょう。
「人の心は時として海と喩えられます。穏やかに人を受け入れることもあれば、荒れ狂い全てを飲み込まんとする激情もある。貴方にも、もちろん私にだって海のような心があります」
「で、あれば。十三くんの心とは、今は彼自身どこに向かえばいいかも分からず吹けば飛ぶような難破船さながら、己の心に翻弄されておるのです」
「本物の船ならば遭難し、難破してしまえばそこで最早終いです。だけれど、彼は幸か不幸か生きております。今でも生き続けていられる。なら、周りの人間が彼という船を導く灯台になってやれば……暗雲立ち込める海の中で燦然と輝く光となれば、必ずや快方へ向かうでしょう。少なくとも、私はそう信じております」
prev nextBack to main nobel