狙われているのは










里の外を出てすぐ、妙な水溜りを見つけたが狙いを見極めるためにカカシはそれを野放しにした。




気配からそう強い忍びではなさそうだ。

唯一水溜りを不審に感じているリナに微笑みかけて、また知らぬ顔をする。

里の外を出てから小難しい顔をしていたけれど、過去の経験からか警戒を怠ることはしていなかったようだ。

偉い偉い、と思いながら襲ってきた忍びの鎖を変わり身の術で避け近くの茂みに身を隠した。



(さて、次に誰を狙う?)


俺の一番近くにいたナルトを狙うところを見て、ナルトは標的ではなさそうだ。
驚きからか動けないナルトをサスケがしっかりフォローする。
まぁまぁいい動きだ。

ここからが問題だった。

このメンバーの中で敵に、ましてや他国の忍に狙われる可能性がある人間は3人しかいない。

そのうちの1人である俺を真っ先に始末した気になり、まだその場に残るということはターゲットが他にいるということだ。


サスケの攻撃を受けた敵はすぐに標準を変えた。


(タズナさん狙いか…)


サスケの攻撃を受けて武が悪いと判断したのだろう。
真のターゲットへ向かう様子を見て少しだけ安心する。


ターゲットにされうるもう1人を狙っていたら、それは里の問題に発生しかねない。
タズナさん個人を狙うということはどうやら彼らは雇われ忍者のようだ。
それなら1人で対処可能だ。



サクラがタズナさんの前に出て、その前にサスケ、そして結界が降りるのを見てから茂みから飛び出した。


『カカシ先生!』


2人の忍びをすぐに戦闘不能にすることは容易かった。

生徒達の表情はそれぞれで、安心した顔をする女の子達に、白けた顔のサスケに驚いた顔のナルト。


「ナルト…すぐに助けてやれなくて悪かったな。怪我させちまった………お前がここまで動けないとは思ってなかったからな」


ナルトの手の甲に滲む血、戦闘不能となった2人の忍びの武器を見る限りは毒が塗ってあるようだ。

治療には里に帰る必要がある。


「とりあえずサスケ、よくやった。リナとサクラもな」



どちらにしろ他国の忍びが関わる任務。
コイツらにはまだ荷が重い任務であることには変わりない。



「んー、こりゃ荷が重いな!ナルトの治療ついでに里へ戻るか…」


『あ、あの!』


ーザク!!!

『「「「 !!! 」」」』


リナが、何かを話そうとするとほぼ同時にナルトが自分の傷口をクナイで刺した。


「ナルト、何やってんのよ!あんた!」


痛みと悔しさが入り混じった表情からは、硬い決意を感じる。



「オレがこのクナイで……おっさんは守る。任務続行だ!!」


なるほど、コイツもちょっとずつ、成長してるな。


「ナルト、景気良く毒血を抜くのはいいがそれ以上は出血多量で死ぬぞ」

「ぬおー!ダメそれ!こんなところで死ねるかってばよー!!」

『ナルトくん、傷口見てもいいかな?』


珍しく積極的なリナがナルトの手を取る。

覗き込めばすでにナルトの持つ九尾の力か、傷はすでに治りかけていた。
リナもそれに気がついたようで、少し疑問を感じているようだった。
九尾の力は里トップクラスの秘密。
誤魔化す必要がある。
リナには申し訳ないが、また知らん顔するしかない。



「リナ、治せるのか?」

「あ、あのさ!オレってば大丈夫??」

『はい、この程度なら治せます』


そう言ってナルトの怪我にリナが手をかざすとチャクラがそこへ集中する。
傷口はすぐに塞がれていった。

九尾の力ですでに治りかけていたとはいえ、その医療忍術はアカデミーを卒業したばかりの女の子の持つ技術とは、思えなかった。

さすがは海鳴の血筋といったところだろう。


(これからどうなることやら……ね。)








念のため、と言いながら手際よくナルトの手に包帯を巻くリナにカカシは目を細めた。