悪戯もほどほどに
教室に戻った後は、みんな緊張してるみたいで、口数は少なかった。
ヒナタもシカマルも、班長である上忍の先生に連れられて教室を出て行ってしまった。
この教室にいるのは私たち7班だけになってしまった。
「なーんで俺たちの班だけ先生こないんだってばよ!」
ナルトくんはいまだ現れない先生に痺れを切らしているようだ。そんなナルトを咎めながらも、チラチラとサスケくんを見つめるサクラちゃん。興味がないというように、どこか遠くを見つめるサスケくん。そんな皆を少し後ろの席から頬杖しながら見下ろす私。
『(皆ばらばらのことしてる…)』
サスケくんを苦手だと思っている私が言うことではないが、このメンバーのチームワークがとても不安になった。
『(まずは、サスケくんと仲直りしなきゃだよな〜)』
そんなことを考えながら、教室の上の方を眺めていると、ふと視線を向けられていることに気がついた。
漆黒のその鋭い瞳と焦点が合わさった時、ピタリと私の体は動かなくなった。
体は動かなくなり、何か重いものがのしかかっているような感じがした。
何か喋らなければ……、そ思った時には合っていたはずの目は、ふいっと目を逸らされてしまう。
『(お話、してみたかったな…)』
ああ、でも話してみたいだなんて思っているのは私だけで、きっとサスケくんは真反対の気持ちを抱いているに違いない。
2年前の病室で見たサスケくんの表情は今でも鮮明に思い出すことができる。
サスケくんをあんな表情にさせてしまったのは私なのだから。
「ちょっと何してるのよ!」
「遅れてくるのがわりーんだってばよ!」
記憶のタイムスリップもそこそこに、何やら騒がしくなった教室の扉を見ると、ちょうどナルトくんが扉にトラップと言う名のイタズラを仕掛けている最中だった。
ナルトくんに注意をしているサクラちゃんもなんだか楽しそうにしている。
『怒られたりしないかな………』
初対面の、ましてや班長である上忍の先生にそんないたずらしらしたらきっと第一印象は最悪に違いない。
あ、でも上忍の先生なんだから引っかかるはずないか。
ガラガラッー
そんな楽天的な考えだったのに、黒板消しは入ってきた先生と思われる人の頭の上にポスッとおさまった。
予想と反する結果にナルトくんはケラケラ笑っていたが、私は冷や汗が止まらなかった。
「んー、………なんて言うのかな。お前らの第一印象は嫌いだ!!」
爽やかな声とは裏腹にかけられた言葉に全員暗い気持ちになったのは言うまでもない。