銀色の髪の毛に、鼻まで隠された黒いマスク、左眼を隠すように斜めに付けられた額当て。
おまけにイタズラのトラップに引っかかる始末。4人は不信感でいっぱいだった。
嫌い宣言をされたが、これから自分たちを指導することになるこの上忍に促され,
全員教室の外に出ていた。
促されるまま階段に座り、じっとその銀髪の上忍をみつめる。
「……そーだな、まずは自己紹介をしてもらおう」
「……どんなこと言えばいいの?」
「……そりゃ好きなもの、嫌いなもの。将来の夢とか、趣味とか………まあ、そんなもんだ!」
「あのさ!あのさ!それより先に自分のこと紹介してくれよ!」
「そうね、見た目ちょっと怪しいし……」
上忍に興味津々なナルトに、すでに不信感をいただいているサクラは躊躇なく質問をぶつける。
それに対して、サスケとリナは特になにも発言することはせずに黙って、上忍の様子を伺っていた。
「オレは、はたけ・カカシって名前だ。好き嫌いをお前らに教える気はない!将来の夢って言われてもなー……まぁ、趣味は色々だ!」
「ねえ、結局わかったの名前だけじゃない……?」
リナもサクラのいうことに同意しながらも、何か発することはなく苦笑いしながら膝を抱えなおした。
「じゃあ、次はお前らだ右から順に……」
カカシの声に少しかぶるように始まったナルトの自己紹介。「火影を越す」そう断言したナルトにリナは驚いていた。
『(ナルトくん、なんか変わった……?)』
ついこないだまで、お昼寝を共にしたりイタズラに巻き込んで来たり思い浮かぶのはナルトのふざけている姿ばかり。
それがいつの間にか、この里の頂点に立とうとしている。
自分の夢とは大きく離れたその夢を聞いて、リナは恥ずかしくなった。
最後に伝えたれた「趣味は、イタズラ」とのワードにホッとしつつ、私もいつか大きな夢を大きな声で言える日が来るんだろうか。
そんなぼんやりとした思考はカカシの「次!」という声に遮られ、その次にあたる苦手な人に意識を向かされる。
たんたんと告げられていく内容に、耳を傾けていたが最後に伝えられたそのセリフに空気が止まったのがわかる。
「ある男を、必ず・・・殺すことだ。」
とても冷たく冷酷な言葉に、聞いていた4人が思うことはそれぞれだ。
クールな様子に恋心を揺らされる者、対象が自分ではないかと疑う者、想定通りのセリフに納得する者。
そんななか、リナはなぜか胸が締め付けらるように痛くなった。
それが、怖いという感情なのか苦手からくる感情なのか、判断することができなかった。
サクラのサスケへの想いが今にも溢れそうな自己紹介も、筒抜けてしまうほどにリナは自分の感情を整理できずに、順番は回ってきた。
「じゃあ最後、小さい方の女の子・・・・」
『えっと、海鳴リナです。好きなことはお昼寝で、嫌いというか苦手なのは・・・赤い月です』
苦手だと発されたそのワードに、サスケとナルトが反応したのがわかる。
サスケに関しては視線をリナに向け、探るように見つめるだけ。ナルトに関しては「そんなのみたことねぇってばよ」と言いながら難しそうな顔をしていた。
『将来の夢、というか目標は・・・自分をしっかり知ることかな・・・』
「自分を?? よくわかんねぇってばよ・・・」
『あははは、そのうち話すね・・・』
皆に注目されている中で詳細を話せるほど、まだ覚悟はできてなかった。
リナは自分が知る限りの、自分の事情を話したことがあるのはシカマルだけだった。
仲良くなれば人懐っこい性格なリナだが、そこまでたどり着くには一緒に過ごした時間が足りなすぎた。
「よし!自己紹介はそこまでだ。明日から任務やるぞ」
「はっ!どんな任務でありますか!?」
元気よく返事をしたナルトも、黙って話を聞いていたサスケたちも、カカシから投下された任務内容に表情を強張らせた。
せっかくここまで辿り着いたはずなのに、告げられた任務は脱落率66%以上の超難関試験だなんて、誰も予想していなかったから。