虎杖悠仁はお友だちだった

「虎杖っ、買い物付き合え!暇だろ!」

「暇じゃないって!五条先生に呼ばれてんの!ったくすぐ暇人扱いすんなよなぁ〜もう」

「チッ、じゃあ仕方ないわね!伏ぐ…って居ないしっ!」

俺、釘崎、伏黒の3人で体術訓練をしたあと、釘崎が俺に声をかけた。しかしこの後、俺は五条先生に呼ばれてる

…なんの用事かは知らんけど

汗をかいて湿ったままの服だと気持ちが悪いので一度部屋に戻りついでに汗を流していつもの制服に着替えると五条先生が待っててと言っていた談話室に向かった

談話室についてドアに手をかけたその時、俺がドアをスライドさせるよりも早くドアが開き俺の足に何かがぶつかる

「んぶっ!!!」

「え?!ごっごめっ!大丈夫か?…って女の子?」

上から下まで真っ白で小さな女の子はその場にペタンと尻もちをつく形で床に座り込んでしまった

すると談話室の如何にも高級です〜と言わんばかりのソファに座りその無駄に長い足を組んでいる五条先生が白い女の子に向かって声をかけた

…というか、この2人そっくりじゃね?

「ほらぁすみれってば、いきなり走り出したら危ないでしょ、怪我してない?」

「さとるのアホ!」

「ちょっ!僕のせいじゃないよね!?というかパパを呼び捨てにするんじゃありません!」

「ええ?!パパ?!五条先生の子どもっ?!」

…確かに似てるなとは思ったけどさ、え?この子ガチで五条先生の子どもなん?っていうか五条先生結婚してたっけ?

今世紀最大の衝撃事実に目を回しているとその長い脚で一気に距離を詰めた五条先生が俺の足元に座り込んでしまっている女の子を抱き上げた

自然と女の子を見下ろしていた視線が五条によって強制的に上へと向かされる

少女の綺麗な紅い瞳が俺を釘付けにした

…っていうか、あれ?この子どっかで見たことあんなぁ…どこだっけ、母ちゃんと父ちゃんが居なくなって爺ちゃんと住み始めてからしばらくして…確か公園で…

思考の海に沈んでいると女の子が自分の名前をはっきりと言った。その名前に俺は聞き覚えがあった

「さとる、パパ違う!すみれにパパは居ないもん」

…すみれ、すみれ、すみれ…すみれ?!

「え?すみれなん?」

キョトンとした少女に俺は興奮気味に話しかけた

「俺だよ!俺!」

「下手くそなオレオレ詐欺かよ、てか悠二必死すぎ。もっとマシなナンパの仕方があるでしょー。まっすみれは僕のだから悠仁にはあげないけどねっ」

…五条先生が何か言ってっけどそれどころではない

「俺!虎杖悠仁!憶えてない?ちっちゃい頃さ、公園でよく一緒に遊んだっしょ!」

「いたどり?」

「虎杖悠仁!」

…さすがに憶えてないか…なにせもう10年位前のことだし俺も?それなりに成長したし…ってよくよく考えてみろ、虎杖悠仁。もし本当にこの少女が俺が小さい頃一緒に遊んでたすみれならこんなに小さいワケなくね?え?人違い?

「おーい、悠仁ぃ〜」

五条先生に目の前で手をヒラヒラとさせられてハッと意識を戻す。いかんいかん

「あー、ごめん。人違いかも。俺がすみれと遊んだの10年も前だし姿が変わってないってのはありえんよね」

一人納得してそう言うと五条先生の腕の中の女の子は小さな手でムニムニと頬を押して唇を突きだす仕草をする。それは五条先生が考え事をする仕草ととても良く似ていた

「いたどり…ゆーじ」

「すみれ、悠仁のこと知ってるの?」

「ゆーじ…ゆー…じ、うーん」

「ごっごめん!俺の勘違いだっかも、気にせんで!」

急に恥ずかしくなって俺は目元を人差し指でかいた

その時だった

ピコンと閃いた時に出る電球が少女の頭の上で光り少女はニコニコと笑って俺を指さした

「ゆーじっ!!」

「え?」

「ゆーじ!すみれはわかんないけど、すみれは憶えてる!ゆーじ!」

五条先生の腕の中でバタバタ暴れて俺の方に短い腕を伸ばしている少女に五条先生は仕方ないという顔をして(…目元は見えんけど)少女を俺の腕の中に移動させた。

「こっちのすみれが憶えてないってことは別のすみれの同位体かな…うーん、ほんとすみれの力は未知数だな」

「え?ドウイタイ??」

「ん?コッチの話。でも悠仁が過去にすみれと会ってるならそのすみれで間違いないよ。ちょっと理由ありなんだ」

「ゆーじ!カッコよくなってる!すみれ、わからなかった」

今度は俺の腕の中で足をブンブン振って嬉しそうにしている少女を見て、俺も嬉しくなってニッと笑う

「ていうか!さっきも言ったけどさ!すみれが五条先生の子どもってどゆこと?!マジ?」

「え、悠仁遅っ。もうそのネタいいわ」

「えーーーー」

「ゆーじ!ゆーじ!高い高いやって!」

「高い?高い?」

「ちょっと、ちょっとすみれ?悠仁より僕の方が大きいんだから僕の方がよくない?」

五条先生がその長身を活かしてヌッと俺とすみれの視界に割り込んでくる

「や!さとるは弾くからイヤっ!」

「え?弾く?どゆこと?」

「さとる、すみれのことバァンってした!」

「ちょっと手違いですみれのこと無下限で弾いちゃったんだよね」

「五条先生がミスるって珍しいね」

「そんなつもりはなかったし喜んでくれるかなって思ったんだよね。そしたらめっちゃ怒っちゃって謝ってるんだけど許してくれないの。ゴメンね、すみれ。僕が悪かったから許して欲しいな」

「やっ!」

ふんっと顔を五条先生から逸らしたすみれに五条先生は膝を抱えてしゃがみ込んでしまった

…大の大人がやっても可愛くねぇんだよなぁ

「ゆ・う・じ??」

「な、なんでもないッス」

「ま、いっか。すみれと悠仁が知り合いなら万々歳。僕、コレからちょーっと出かけなきゃ行けないから僕が戻ってくるまでの間すみれのこと頼んだよ」

「へ?用事ってすみれのことだったの?」

「んー、違うけど予定変更。よろしくね、悠仁」

「よろしくねー」

「お、おう」

「あ、ちなみにすみれの容姿が10年前と変わってないとかその他諸々、バレないように気をつけて」

「へ?伏黒とか釘崎にも?」

「ん?僕の生徒たちと傑、硝子なら大丈夫!厄介なジジイ共のことさ」

虎杖悠仁はお友だちだった
虎杖ぃ!やっぱり買い物付き合え!
釘崎っ!
え?なにその子、めっちゃ可愛いんですけど?!
五条先生に面倒見ろって頼まれてさ
じゃあその子も一緒に買い物行きましょ!
お買い物!


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