伏黒恵は行方不明

「ゆーじ、のばら!めぐみってどんなヒト?さとるより強い?」

「全然、五条先生の方が普通に強いわよ」

五条先生からの預かり者である真っ白な少女すみれを抱いたまま俺と釘崎は伏黒を探して高専内をブラブラしていた

「だなぁ…五条先生に勝てるのってぶっちゃけ夏油先生だけじゃね?」

「すぐる?!」

「うぉっ!どしたん?すみれ」

腕の中で大人しくしていたすみれが急にバタバタと暴れだす。落とすワケにもいかないので慌ててすみれの背中に手を沿えた

「すみれね!すぐるともオトモダチ!さとるとすぐる、あとしょーこもオトモダチなの!」

「え?すみれってば家入さんとも知り合いなのね」

「うん!しょーこはすみれのことギュッて抱きしめてくれるから好き!」

ニコニコと嬉しそうに笑うすみれに俺の隣をスマホをポチポチとイジりながら歩く野薔薇も少しだけ機嫌が良さそうだ

…すみれ様々、マジで

「そいや、釘崎。伏黒が何処に居るか知ってんの?」

「さっきから電話してんのに出ないのよ。LINEも無視されてる」

チッと舌打ちをした釘崎に、小さい子が居るのに舌打ちなんかすんなよなぁ〜って思いながらも余計なことを言えば殴られかねないのでお口にチャック

「のばら!のばら!それなに?」

すみれの小さな手が釘崎の手の中にある機械に向けられている

「スマホよ、スマホ」

「すまほ?すまほって何するの?」

「遠くの人と電話したり、メッセしたりよ。ほら、ココ伏黒って書いてあるでしょ。これで伏黒に今ドコにいんのって聞いてるところよ」

「そのすまほ?があったらすみれもさとるとすぐるとしょーことお話できる?」

「出来るわよ」

「ゆーじ!すみれもスマホ欲しい!」

スマホに興味を持ったすみれはスマホが欲しい欲しいと言い始めた

「五条先生が帰ってきたら買って貰おうぜ。先生、すみれに超甘そうだからなんでも買ってあげそう」

「ははっ、分かるわー」

「ん?」

「あっ、そうだ。すみれちょっと待っててな」

腕の中の少女を一度下ろすと俺は制服のポケットに手を突っ込んで自分のスマホを取り出した

画面の電源を入れてタップしてある人物の名前を呼び出すと隣で俺のズボンを小さな手でギュッと握ってるすみれに渡す

「ほら、すみれ。ここに耳当ててみ」

「ここ?」

スピーカー部分に耳をピトッと当てたすみれの顔がパァと明るくなる

†‥五条side‥†

すみれを悠仁と野薔薇の2人に預けて僕は高専の廊下をスタスタと歩く

ポケットに入れたスマホが鳴り続けているがどうせ伊地知からの催促の電話だし無視してても問題はないだろう

…はぁ、せっかくすみれと再会したのに学長との会食とか…ツイてない。あ、でも学長もすみれに会いたがってたし後で会わせてあげよ

僕はそのまま高専の外に出るとロータリーに一台の黒い車が停まっており、車の側には伊地知がスマホに耳を当てた状態で立っている

僕が近くまで来ているのに気づいてないんだな、アイツ

「…五条さん、出ないっ!あああ…もう出ないと時間が!!」

「伊地知ぃ〜お待た〜」

「五条さんっ!!!」

僕が声を掛ければ死にそうな顔がホッとしたような顔に変わる

そのまま伊地知が運転する車に乗り込む。僕が座ったのを確認すると伊地知は車を動かした

「では、出発いたします」

「はいはい」

しばらくするとポケットのスマホが鳴りなんだ?と思い手に取るとポップアップには悠二からの着信と出ている

すみれに何かあったのか?と思い電話に出ると想像していたよりも随分と可愛いらいしい声で、悠仁ではなくすみれだと気づいた

「もしもーし、悠仁ぃ〜?どうしたの?」

「さとる!さとるだ!」

「あれ?すみれ?」

「うん!うん!さとるの声がするよ!すごいね!ゆーじ!」

「おーい、すみれ、悠仁や野薔薇にイジメられてない?」

「大丈夫!ゆーじものばらも優しいよ!」

「はは、良かった。用事が終わったらすぐ迎えに行くからそれまでは良い子にしてるんだよ。あとすみれ、ちょっと悠仁に代わってくれる?」

「うん!はい!ゆーじ、さとるが代わってって!」

嬉しそうなすみれの声を聞けて僕の機嫌も上々。会食がか終わったらはやく寂しがりの元へ帰ろうと決意した

†‥五条side‥†


「虎杖、アンタ何したのよ」

怪訝そうな顔で俺を見る釘崎に

「五条先生に電話かけた」

と返す

「嬉しそうね、すみれ」

「すみれってさ五条先生大好きぃ〜ってオーラがスゴいじゃん。五条先生を前にするとつっけんどんな態度取るけどやっぱり寂しいのかなって思ってさ」

俺が貸したスマホに耳を当てて、一生懸命言葉を話す小さな少女に俺はちょっと嬉しくなった

「さとる!さとるだ!うんっうん!すみれ大丈夫だよ!ゆーじ、さとるの声がするねっ!ん?ゆーじものばらも優しいよ!はい、ゆーじ!さとるが代わってって」

すみれの小さな手からスマホを受け取って耳を当てると先生の声がした

「先生、ゴメンね。邪魔しちゃった?」

「いや、ぜーんぜん。まだ移動してる途中だからさ。それよりどしたの?すみれに何かあった?」

「んにゃ、先生と別れた後さ伏黒にすみれのこと紹介しようと思ってたんだけど伏黒見つからなくてさー。釘崎がスマホ出したらすみれがそれなーに?って聞いてきて」

「なるほどね〜。じゃあすみれにもスマホ持たせよっかな」

…五条さん、そろそろ着きます。ご準備を

「りょーかい、んじゃ悠仁、そゆことだからもうちょっとの間すみれのこと頼んだよ。あと恵なら食堂にいるから行ってみな」

プチッと切れた五条先生との通話に釘崎と遊んでいたすみれたちに声をかける

「すみれ!釘崎!伏黒、食堂にいるって」

「食堂?!なんでそんなとこにいんのよ」

「知らねーけど食堂にいるっていうし、食堂行こうぜ!」

伏黒恵は行方不明
伏黒はここかぁ!
は?なんだお前ら
伏黒ぉ、よくも私の連絡を無視したな
証拠は上がってんだ
めぐみ!
…誰



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