その知らせを聞いたのは朝食の時の事。
「今朝、こんびに?という所に行くと言って出ていったっきり帰ってこなくて……何でも、今日限定のスイーツが売っているそうなんです。 セイザブラスターの通信も繋がりません」
「こんびに、?」
チキュウ人の小太郎以外が首を傾げてこんびにとは何かと議論していた。
司令が口を開き、こんびにの説明を始めた。
「こんびに……そう、それはチキュウにのみ存在するモノ。 一度体験したら病み付きになるそうだよ……」
「アダナはソレに毒されちまったってことガル!?」
「いや結構語弊があるよ……」
そんな小太郎の呟きもかき消され、一刻も早くアダナをこんびにから解放するという作戦が練られ始めた。
「いいかい、ここから1番近いこんびにはココ。 アダナちゃんはココに行った可能性が高い」
すると、モニターにインダベーの映像が映し出された。
インダベーと一緒に映っているのは……多分、アダナ姉ちゃん?の頭が見える。
そして背景にはコンビニ。
何ともシュールな図だ。
それに気付いているのは小太郎だけで、他の皆は作戦を必死に練っている。
「ねえ!モニター見て!あれアダナ姉ちゃんだよ!」
「待ちなさい小太郎、今それどころじゃ…………え?アダナちゃん?!」
喋ることの出来ないインダベーの持つカンペには、
「キュウレンジャーの女を利用させてもらった」
「××のコンビニの前で解放する」
と書かれていて、モニターはプツッと消えてしまった。
「僕ちんたちがさっき言ってたこんびにじゃないか! ビンゴだねえ〜! さあキューレットを回そう!」
「俺、行ってくる!」
キューレットを回してる時間すら惜しい。
「ああ小太郎! ……全く、アダナちゃんの事大好きなんだから」
§
目的のコンビニに着いた。
けれど、アダナ姉ちゃんの姿が見当たらない。
「アダナ姉ちゃんー!?どこー!?」
「……こ、小太郎!?」
声は聞こえるけど、一体どこに?
「どこにいるのー!?」
「……こ、ここ!!」
声がした方向を見ると、小さな子供……俺より年下っぽいアダナ姉ちゃんにそっくりな子がいた。
「………………えっ?……アダナ、姉ちゃん?」
「……う、うん……」
いや、脳の処理が追いつかない。
なんで?なんで小さくなってる?
その時、ラプターから俺のセイザブラスターに通信が入った。
《小太郎!アダナは見つかりましたか!?》
「見つかったよ…………けど、なんか、小さい」
《……はい?》
「……ほんとに、アダナ姉ちゃんなんだよね?」
「うん……ジャークマターに連れ去られて、気付いたら……こうだった」
《ま、まずはアダナと帰ってきてください!》
§
「……こりゃおっタマげた、本当に小さいね……」
他のメンバーもびっくりしてか、言葉を詰まらせていた。
「自分でも訳わかんないです……」
APTX4869でも飲まされたのか?と真顔で言うナーガ。
私は探偵じゃないよ!
取引現場も見てないよ!
遊園地にも行ってない!
「さてどうしたもんかねえ……戻るの?コレ」
「APTX4869であるならば、元に戻るのは絶望的ですね……」
だから違うって!!!
「そういえばインダベーからこんな紙を渡されました」
《期間は1週間(多分)。 2日目からは記憶が無くなる予定。》
「『(多分)』」
「『予定』……」
「あいつら、何がしたいの……」
「とにかく、アダナちゃんが無事に戻ってきてくれてよかった!」
ところで、こんびにとは何なんだい?という司令から質問され、こんびにとは何かを事細かに説明しなくてはいけなくなった。
「こんびにとは…………恐ろしいところですよ」
「おお……やはり……」
「ダメだこりゃ」
「ってかアダナ、こんびにには何しに言ってたわけ?」
「えぇっとね、今日5月5日はチキュウでこどもの日って言うの、それで毎年コンビニで限定スイーツを売ってるから売り切れちゃう前に買いに行こうと思ってたんだけど……買いに行く途中でインダベーに捕まっちゃったの」
「コドモノヒ?」
「また説明しなきゃいけないの……」
アダナ姉ちゃんが元に戻るまで、あと6日。
同じ目線になって嬉しいような、恥ずかしいような。
アダナ姉ちゃんには悪いけど、このままでいてほしいと思った。
//2018.06.10
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