今日はなんの変哲も無く、自室でのベッドで昼寝をしようかとウトウトしていた時だった。
警告音とともに、セイザブラスターにラプターから通信が入った。
いやすぐそこじゃん。
「なに?ラプター」
《た、大変です!すぐにメインルームに集まってください!アダナが……》
そこまで聞き、寝癖も直さないままジャケットを片手に自室を飛び出した。
§
「アダナ姉ちゃんッ!!」
メインルームに向かうと、そこにはアダナ姉ちゃんの姿がなかった。
ゾロゾロと他のメンバーも集まり、全員揃ったところでラプターが1枚の紙を取り出した。
「こ、これがテーブルの上に……!」
それは、アダナ姉ちゃんの字だと思われるメッセージだった。
『おでかけしてくるね! アダナ』
「おでかけ……?」
「一体どこへ……」
アダナ姉ちゃんが行きそうなところ……と各々が思案していると、モニターに通信が入った。
《こちらスティンガー》
「! 兄貴」
そう言えば唯一、兄貴の姿がなかった。
医務室だとばかり思っていたが、外出していたようだ。
「おお、スティンガー、どうしたんだい?」
《こんびにの店先でアダナらしい姿を見かけた。そっちにアダナはいるか?》
「いいえ、出掛けてくる、といったメモを残してどこかへ行ってしまったんです! それで今、行きそうな場所を……」
《いや分かった。 俺が探す》
それだけ言うと、通信が切れてしまった。
「私たちも探しに行こう!」
「それじゃあ、キューレットを回そう」
それぞれキュータマを入れ、いつもの流れになった。
「キューレットザ・チャーンス!」
「もう、踊らなくていいから!」
キモッタマーと流れそうなBGMをハミィが遮り、ガラガラと音を立ててキュータマが出てくる。
ラッキー、スパーダ、ナーガ、ラプターが選ばれた。
「それじゃあ、残った僕ちんたちは引き続きここでアダナちゃんが行きそうなところを探すよ」
§
辺りが暗くなれども、アダナ姉ちゃんは見つからない。
時刻は午後10時。
「ねえ、どうしてアダナ姉ちゃんは見つからないの!?」
「落ち着いて、小太郎……。 私たちも、アダナちゃんを探しに行ってこようか」
「……俺も行く!」
「小太郎はここに残って、アダナちゃんを迎える準備をしてて、……ね?」
「子供がこんな時間に出歩いていたら、小太郎だって危ないんだ。 アダナちゃんは必ず見つける、だから……」
「……分かった」
司令達を見送り、ふと考えた。
朝から探しているのに、何故こんな時間まで見つからない?
これは何か悪い夢を見ているんじゃないか?
もしそうなら、早くさめてほしい。
「…………クッキー、焼いておいてあげようかな」
1人だし、スパーダいないし、アダナ姉ちゃんが好きだし。
無事に帰ってきて欲しい。
そう思いながら厨房へ向かう。
アダナ姉ちゃんが元に戻るまで、あと1日。
悪い夢なら、早くさめてください。
//2018.06.10[back]