今日もまた本社に来ている。最近は数日後に控えた新人デビューで、社員さんが忙しそうに走り回っているのをよく見かける。
そう言えば、今回はどんな子がデビューするのか全く情報を入れていない。公式にももう名前や顔は出ているだろうから、後でチェックしようなんて思っていた。
「澄晴さんすみません、新人の子、見かけませんでしたか?」
『あ、私今回の新人さんまだ確認してなくて……、多分、新人さんらしい方は見ていないと思います』
「そうですか、すみません、どこいったんだろうな…」
スタッフさんに話しかけられたと思ったら、新人さんの居場所を聞かれた。どこに行ったんだろう、と言っていたから、1度は合流しているのだろう。迷子にでもなってしまったのだろうか。
ぴろん。
その時、私のスマホの通知音が鳴った。確認すると、湊くんからの連絡だった。
「〇〇ちゃん、今どこにいる?」
『今は会社にいるよ、どうしたの?』
「なんでもない!急な連絡ごめんねぇ」
『ううん』
『……?、どうしたんだろう。あ、てか私湊くんに結局ライバーやってるって言うの忘れてるじゃん!』
そうだ、うっかり忘れていた。今度あった時にまた伝えよう。そう思った。
『まだ、余裕あるな……』
私は担当のマネージャーさんが来る時間になるまで、ひと休みしようと自販機に飲み物を買いに、部屋を出た。
社員さんも誰一人として人がいない廊下に、「みんな忙しいのかなあ」なんて、考えていたところ。瞬間、
「んは、見つけた!」
『………………え?』
時が止まった。