自動車車体整備士の女と公安







※純黒の悪夢にて損傷した車の修理の話





「もう傷つけたんですかっ!?」

白の美しいボディーをもつこの車の持ち主を見遣る。

「すみません…」眉を下げ困ったように笑いながら言う安室さん。




せっかく、先日手塩をかけて修理をし、

「もう、来るなよー」と恋人を見送りような気持ちで手を振ったのに…


右側面は大きなへこみ、
左側面はこすれによる塗装の剥げ、バンパーにも傷があちこち…。



「なんなんですか、これ。どこかで誰かとカーレースでもしたんですか!?それもとてつもないハイスピードで!」



安室さんはそんなことをする人には見えないから、初めのうちは何かの事故に巻き込まれたためと考えていたけれど…



「あははっ、ばれましたか。」

しっれと返すこの金髪のイケメンを再度見て、さらなる苛立ちが沸き起こる。



猫かぶりも大概にしろ。
タイヤの異常なこすれ具合と乱暴に扱っただろうギアの痕跡、それに加えてさっきの車体の様子から

いつも見せている姿とはまるで異なる人格で、猟奇的な目をして、ハイレベなドライブテクを相手にかます野郎であるのはバレバレだ。



私が見抜けないはずがないことを分かってて惚けるんだから、いけ好かない。


「すぐに治してあげる…」
そう、RX-7の美ボディに触れながら呟く。




「そう言っていただけると助かります、」
とすかさずいう安室さん。



「貴方に言ったんじゃありませんっ!」


次に車体を損傷させることがあったら、彼のこのRX-7を見る人がドン引くピンクにしてやる…。
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