雨と私と赤井さん






赤井さん



「傘、持ってないんですか?」


コンビニによった帰り道、珍しい人影を見つけて声をかけた。

「・・・あぁ。」
よかったら入れてくれ、という赤井さんに首を縦に振った。

偶然私が通りかかってよかったですね、などと言葉を交わしつつ二人で一緒に帰路につく。

なんでもないような顔をしながら傘を受け取り

わざわざ車道側を歩き出したことや、傘を私に傾けて、極力ぬれないように配慮してくれていることも



不器用な彼なりの優しさだと気付くとなんだか、笑みがこぼれる。



「・・・なんだ?」

「いえ、別に。」

なんて返しながらも、なんとなく私の思考を読んだのか目をそらす赤井さん。
「ひとつ、教えてやる。」



再びこちらに視線を寄越しながら彼は言った。

次は私が目、いや顔をそらす番だった。


――――最初から、お前を待っていた。

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