5.5
「あれ、こんな所で何しているんですか」
煙草を買った帰り道に少年探偵団たちとであった。
彼らは、遊べる公園ではなく寺院にいた。
そして、元気な子供たち三人は輪になり何かをしていた。
気になった為近くにいたコナンに声をかけた。
「この間、昴さん家でみた白猫だよ。餌をやったら、警戒心といてくれたみたいだよ。」
「ほーぅ。」
沖矢の冷静に物事を見抜く鋭い目差しが白猫に向く。
そして、灰原はそんな沖矢に対し体が震え、コナンの後ろへ隠れる。
白猫は大きな瞳で沖矢を見つめ、低い声を発している。
そんな白猫の警戒心を感じとったのか、子供らは沖矢の前に立ちはだかった。
「猫ちゃん、いじめないで!」
「いじめてないですよ。どうにも僕にはなかなか、なついてくれなくて。」
嫌われてるみたいで悲しいです。
と沖矢は涼しい顔して言いはなった。
コナンは、そんなこと思ってないだろうと沖矢に対していってやりたかったが言葉を何とか飲み込んだ。
子供たちは沖矢も白猫と仲良くなりたいのだと思い、仲良しになる方法を純粋に考えていた。
「いいこと、ひらめいた!猫ちゃんの名前決めてあげようよ!」
「そうですね。そしたら、仲良しになれそうですね!」
「じゃおめー決めろよ。俺たちもう仲良しだしな。」
大人げないと分かっているが、どうしても仲良しの単語に腹立たしさを感じる沖矢だった。
子供らに名前をつけるよう言われ、どんな名前にするか考える。
視線は自然と白猫に向けられる。
白猫は先程のような冷めた殺気のような視線を感じなくなった為か、体を丸めている。
沖矢はそんな様子をみてふと頭に過った単語を呟いていた。
「雪」
「「「ゆき?」」」
「いや、雪みたいだなと思いまして。」
「なら、子のお名前はゆきちゃんだね!」
「かわいい名前ですね。」
「そうか?ありきたりじゃねぇーか。」
「すみませんね、ネーミングセンスがなくて」
元太の歯に衣着せぬ言い方に、我慢ならず少々威圧して笑って元太に言葉をかえすと
黙りこんだ。
みてはならないものをみてしまったと元太は感じた。
そんなやり取りが勝手に行われた。
白猫は名前が決まったことなど知るものかと
言わんばかりに体をまるめて睡眠をとる。
触れらるかどうかは白猫しだい。
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