ふ、と笑う気配にそちらを向くと、笑いを堪えているような太郎太刀の姿があった。えええ、珍しい。
「な、なに?」
「いえ、……その、知っていました」
「え?」
“知っていました”? どういう事だ? え、知ってた、って……え? ……どっ、どこから……!? 思考がようやく追い付き、時間差でわたわたと慌て始める私をぐ、と引き寄せて、太郎太刀は苦笑した。
「初めから、です。全て聞き知っていたのですよ。青江が教えてくれました」
「青江め……!!」
協力すると言っておきながらターゲットにそれを教えてしまうなんて! と心の中で青江を糾弾していると、太郎太刀が顔を寄せた。え、近い近いちょっと待ってどうしたんですか。
「これは、勘違いをしても良いのでしょうか」
「か、勘違い……?」
「……伝わりませんか?」
ええと、と戸惑っていると、その顔を私の首辺りに埋めるようにしてはぁ、と息を吐くものだからちょっと擽ったかった。待って待って何この雰囲気。なんか甘いよ、お砂糖気味だよ。
「……はぁ……」
めっちゃ大きな溜息吐かれた。なんだよー、と文句を垂れようとしたけれど、ぎゅうぅっと締められると吃驚して声がでなかった。
「あの……」
「もう少し」
「え?」
「もう少し、このままで」
「え、あ、はい」
何だか乞うように言われると断れない。まあ元々の目的はこれだったし断るつもりも無いのだけれど。すると途端にぎゅうぎゅうと力が強くなって、私はちょっと痛いぞと苦笑いを溢しながらも、まあいいかとしばらく身を任せることにした。
それを次郎太刀と青江が見ていたなんて知らない!!!