いってきます!




うちは両親が医師団として両親がもう若くないにも関わらず海外で忙しく働いているため、基本的に兄弟六人で暮らしている。


でも、長男の光忠はお母さんみたいで、次男の小豆はお父さんみたいだし、三男の長光は……叔父さんって感じだけど……とにかく、別に寂しいとは感じない。


食卓だって賑やかなもので、今日も小竜が長光におかずをひょいっと取られて文句を言っている。光忠はそれすらもニコニコとして見てるだけ。たまに長光の悪戯が行きすぎると怒るけど。









朝食を終えて歯磨きも終わらせて、私は昨日入学式を終えて今日から授業の謙信がトイレから出てくるのを待った。謙信の通う小学校が高校に行く途中にあるということで、私たちは二人一緒に家を出ることにしたのだ。


おわったぞ!と言って洗面所で手を洗ってきた謙信がランドセルを背負ったのを確認して、私はその頭に紺色の校帽を被せた。



「じゃあ、先に行くね」
「いってくるぞ!」


私たちが声を掛ければ、ぞろぞろと全員が玄関までお見送りのために出てきた。過保護か。



「足元に気を付けるんだよ」
「ころばないようにな」
「おう、行ってきな」
「行ってらっしゃい」



全員に見守られながら、私と謙信は行ってきまーすと言って家を出た。