Lantern





家の存続のため破談となった留三郎との婚約をもう一度考え直して欲しいとメンタルボロボロで、でも家のために引き返せず、雁字搦めに限界が来てうどん屋で泣きながら一口もうどんが進んでない子にたまたま出くわした錫高野与四郎が留三郎がオレの嫁さ来い!と掻っ攫う話。

最初は嫁に貰う気はないし留三郎宛の手紙を届けてあげるだけの予定だったが、留三郎から相手方の事情を聞き、断りの文だけ書くと言うので、寄りかかった船だから自分が彼女に渡しておくといい手紙をあづかる。
そして手紙が届くこと自体に怯えていた主の家を訪ね、彼女に文を見せるも手渡さず、ここに来る前に美味い団子屋見つけたから食べながら手紙読むべ!と外に連れ出し、2、3回下あったことない女を好きになる人なんているわけない。読まなくても何が書かれているかわかってる。そんな事はわかんないべ?この世には一目惚れって言葉があんだろ?資金目当ての年増を好きになるわけがない。年増って、たった2歳だんべ?それに家の繁栄目当てで婚姻なんて珍しくもなんでもないだろ。恋愛から結婚に発展する方が珍しいもんだ。

おっ、桜餅があんべ!風磨じゃもうちっと暖かくならねぇと食べれねぇかんなぁ。土産に何個か包んで…いや、餅が固くなるから他のもんにすんべか。アンタは何にする?
…1番、安いの
安いのって…ここは俺の奢りだから好きなもん食べるべ。ほら、何にする?
…え、えと、たくさんあるから、…どれを選んだらいい?
俺に聞いてどうすんべよ。
ひとりじゃ決められないんです。自分の事はひとりじゃ何も決められない。
ふーん。んじゃ、俺が変わりに決めるべ。すみませーん!桜餅2つと大福2つ、あとお茶をふたつ。

留三郎の手紙をちょうだいといい、与四郎は留三郎の手紙は渡さず自分が書いた手紙を彼女に渡す。留三郎の手紙かと思って恐る恐る読み、錫高野与四郎って誰?俺の事さべ。
逢瀬の手紙と、読み取りましたが、そう認識するような文面を書いたんだァよ。とどのつまり、アンタは投資できるほどの家の息子なら誰でもいいんだろ?ならあんたのお眼鏡にかなう相手のひとりやふたり紹介してやんべ。任せろ、こう見えて人脈は太い方だべ。
肝心の食満さんの手紙は?
実習で会えなかったからまた今度貰ってくんべ。
…本当に?
本当に。お、餅が来たべ!ほら食え食え!

錫高野さんはここの人じゃないですよね
おうよ。風磨からここまで歩いてきてんべ。
風磨?
ここからちっと遠くの方にあるんだァよ。
どうしてここに?
ちっと野暮用で遠征してな?その途中にある忍術学園に元後輩が通ってんから顔さみたくてこっちきてんべよ。
良い先輩ですね。
ああ、まったくだべ!
ふふっ、自分で言うなんて、錫高野さんって面白いですね

最初は理由は分からないがべそべそ泣いてる可哀想な子で、それから留三郎に命握られて今にも死にそうな気の毒な子、手紙を読み終えたあとはついお節介を焼きたくなる可愛い子で、少し話して笑った顔を見たあとは、この先の未来を容易に思い描けるほどにどストライクホームランかまされ、どうやって風磨に持ち帰ろうか考え出す始末。


逢瀬とは何かを知る。手を繋いで、ご飯食べて、町に出かけて、夕日を見て、家まで送って貰ってさよならかと思ったら口吸いして、顔真っ赤。

与四郎の方言が移る話。
めんめんくじらが蛞蝓で好きでも嫌いでもないが触るとなると抵抗があり、若干涙目になりながらも、もういいですか?と触れ合う主に新しい性癖開きかけた与四郎が追加の蛞蝓を這わせようとする。

与四郎が喜三太とリリーに婚約者だと当たり前のように紹介し、主は先がどうなるかも分からないのに公にするのはどうなの!?と内心ハラハラしつつも、大切にされていると実感する。

錫高野の山伏姿に顔真っ赤にして挙動不審になる。おどけて娘っ子と見間違う白い足だべ?ほらほらと見せつけてくるも、かっこよすぎてそれどころじゃない。嫁さくるか?と質問し、少し間を置いたあとにこくりと頷く。

派遣忍者の事務員。忍者ではない。稼ぎ的な面から近頃お城の女中になろうと思い面接を受けるはずが面接会場のうどん屋には仁之進がおり、お前さんより先に来た人を雇って帰ったと言われ、やけうどん食べる。その後喜三太と与四郎も合流し、働き先なら風磨に行った後にでも見つけんべ!と与四郎がやんわりと潰したことを仁之進は口が裂けても言えない。

留三郎と偶然会う。
特に主を取り戻したいような雰囲気はないが、留三郎ぉ。1度切って捨てた縁を取り戻そうなんて考えねぇべぇなぁ?人んもんとったら泥棒だァよ?と見たことの無い与四郎の圧のかけ方にああ、勿論だとだいぶ引きぎみの留三郎。

家業の立て直しを支援したいと食満家から再度婚姻の話が来るも、自分の子とは何も決められない主がキッパリと断り、与四郎に会いたくて勢いだけで風磨に向かおうと旅支度し、忍術学園の喜三太に風磨への行きみちを尋ねる。そしていざ意気揚々と風磨に向けて出発して一刻後に汗だくの与四郎が「何してんべ!!!娘っ子ひとりで風磨に行くなんて正気じゃねぇべ!!賊に襲われでもしたらどうすんべ!!!」と怒るも、与四郎に飛びつき、「資金なんてどうでもいい!家だって関係ない!貴方が好き。私を与四郎さんのお嫁さんにしてください!!」と大声で叫び、驚いて言葉が出ない与四郎に、「好きなんです。嘘じゃない。誰かに言わされた言葉じゃない、全部私の心からの言葉なんです」「わーった!分かったから!!一旦落ち着くだァよ」



留三郎が嫁っ子に貰わねぇってんなら俺が貰っても文句ねぇべ。資金についてはまぁなんとかなんべ!と引き取り、話術でどうにかする。

多分初夜に山伏の格好で現れた与四郎が、この格好の俺好きだもんなぁ?と煽り、主は例に漏れ顔を真っ赤にするも、どの与四郎さんも素敵ですと恥ずかしそうに視線逸らして伝え、与四郎頭パーンとなり無言で事を進め出す。


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