Lantern





夫の顔を知らない美しい妻(散々顔で嫌な目にあってきたからこそ中身しか信用してない人嫌い)
彼女のタイプの顔じゃないことを知ってるからこそ失望されるのが嫌で顔出ししたくない長次

文でやり取りはしていたが本人に会ったことは無い。結納なども夫不在のまま終わり、夫婦の新居に移るも仕事熱心故に真夜中に帰宅しているようで本人が置いていった手紙や食事、食料や金はあるものの顔は見た事ない。普通なら離縁しても文句言われないだろうが、文面から見てわかる気遣いや、勝手に鉢で育ててる花に水をやってたりとマメで自分の事を心から愛してる事を知ってるため文句一つ言わず同じ生活を続けてる。
そんな折に隣の家に農民の男が引っ越してくる。用もないのに家を訪ねてきては適当な理由をつけて世間話を始め出すわ、食事を強請るわ、家庭内の話を質問してくるわ気分がいいものではない。終いには体に触れてくるので、いい加減にしないと村長に貴方の素行の悪さを訴えに行くと怒るも、女ひとりに何が出来る。旦那なんてはったりだろ?と言われ襲われかけるもすんでのところで相手を突き飛ばし戸を占め鍵をかける。
暗い部屋の中明日からどうしようと悩み、文に隣に引っ越してきた男にちょっかい出されてるから助けて欲しいと書いて眠りにつくも旦那はおらず、失意の中仕方なく外に出て野菜を収穫した帰りに男が家の戸に背中預けて待ち伏せており、乱暴されると察して逃げたところに見知らぬ男に急に肩を抱かれて『大丈夫。私に任せておけ』と言われ、例の隣の男迄近づき一悶着あった上、無事村から追い出される事にほっとするも一難去ってまた一難。旦那を名乗る男が現れるも文とは全く違う華やかでプレイボーイ臭のする男に違和感を感じ、わざと一人称を全く別人の名前で話していたら相手が乗っかったので、問答無用で大根で殴り、貴方誰なの!?何が目的なの!!?と泣きながら怒り、男は慌てて体裁取り繕うも、うるさい!!私の旦那様は一体誰なの!?…わたし、とっくに捨てられてるの?と自問自答し始めるので男はため息ついて、『長次!!いい加減諦めて妻に顔を見せてやるんだ。いつまで渋ってる。嫌われたらそれまでだったって話だ。彼女のためにもキッパリ別れてやれ!!』と男が茂みに話し、そこから恐る恐る現れた男を前に主は目を丸くし、仙蔵が、あれが正真正銘貴方の旦那だ。昔から顔が怖いと恐れられていたもんで、貴方に嫌われたくない一心で頑固にも顔を見せずにいたんだ。言いたいこと言ってやれ。
あなたが、私の旦那さま?…本当に??
…もそ。
もそ?
…さぞかし失望したことだろう。貴方は村一番の美しさと褒め称えられていた。もっとふさわしいものは大勢いた。その中で私の元に嫁ぐなんぞ不運この上ないと。
不運とは思ったことありませんでしたが、いつまでも恥ずかしがって顔を見せない貴方には失望しておりました。
…もそ
顔がなんです。それ以上に私はあんな広い家に1人で過ごさせられて寂しかった。それに、私が助けて欲しいのは貴方なの。他の誰でもない貴方なのに、別の人に助けさせるなんて酷いわ。
…すまなかった。


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