「あー。川の下の子です。加州清光。扱いづらいけど、性能はいい感じってね」
本丸にやってきたのは赤い瞳が印象的な"加州清光"と名乗る刀剣男子だった。表地が黒で裏地が赤のお洒落なロングコートを着込み、耳にはダイヤ型のイヤリング。ほっそりとした指の先には紅を塗っている。
彼は名のある刀剣の付喪神だ。刀といえば戦いの道具、屈強な男の姿で現れてもおかしくはないのだが、随分と小洒落た姿でやってきたものだ。まじまじと眺めていると加州清光と名乗る彼は少し不安げな表情で目を伏せる。
「俺、なんか変?身なりには気をつかってるんだけどなぁ……」
来たばかりというせいもあって見慣れない格好ではあるものの、お洒落なことには違いない。よく似合っているよ、と伝えれば加州清光は嬉しそうに明るい笑顔をみせた。
「良かった!気に入って貰えたってことだよね」
刀が主に気に入られているか気にするなんて、随分と変わった付喪神だ。大切にされたくて仕方ない性格なのだろうか。そっと彼の頭を撫でてみると、彼は少し安心したように微笑んでいた。
「ねえ主、可愛くしているから、大事にしてね」
川の下の子
18/03/15