嘘みたいなほんとの話

※サラッと救済済み

——見たんだよ。本当に、星みたいに光ってたんだ。

最初は、ただの斬撃だと思った。
あの夜、俺たちは鬼を追っていた。血の匂いも、惨状も、いつも通りだった。
だけど空気が、ひどく静かで……息を呑む音さえ許されないような、いやな静けさだった。

闇の中、ひとつだけ光が揺れていた。
刀を構えた女が、まるで舞うように鬼と斬り結んでいた。

「……誰だ? あれは」
誰かがそう呟いた瞬間、
目を離せなくなった。

彼女の持つ刀は日輪刀ではないのに、鬼が怯えていた。
いや、怯えていたんじゃない。魅入られていたんだ。

鬼ですら、手を伸ばしながら泣いていた。
「星だ」と。
「俺の星が……」って、笑って、泣きながら焼かれていった。

その瞬間、俺も分かった。
あれは鬼殺の為の刃じゃない。
ただ、美しくあるために在る刃だ。

だから、誰も近づけなかった。
——触れた瞬間、自分の愚かさをまるごと炙り出される気がして。

鬼に洗脳された少女が鬼を庇う為に対峙していた粂野と鬼の間に割って入ったんだ。
粂野は少女を守る為に鬼の攻撃を受ける体勢に入ったんだけど、そこを彼女が更に割って入ったんだ。
彼女は鬼に向かって綺麗な一閃を与えた。
攻撃は彼女によって相殺されて、星みたいにキラキラ光る。
あまりの眩しさに目を細めていたら、ふと彼女と目が合ったんだ。


「ーーあとは、お願いね?」


くすくすと楽しそうに笑いながら、彼女はその場から一瞬で消えた。
いやいやほんとに一瞬だったし、その子も居たんだって!!!


全てを魅了する存在

ああ、また逢いたいなあ···············
あ、粂野と不死··········あ、失礼しました、風柱!!
え、彼女のことを知りたい??
いやあの、自分も全く知らないんですけど··········


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