▽ 14話


今日は出陣も遠征も日課は免除らしいので、全員揃っての食事だ。
ただし、鍛刀はしろという話だったので、また山姥切に権限を委譲して新しく三人増えた。
長谷部、信濃、骨喰。
そろそろ名前が危ない。
今はまだぎりぎり覚えられているが、これ以降の人員を覚えられるだろうか。

「主、お好きであればこちらもどうぞ」

長谷部が自分の分のデザートのゼリーを差し出した。
長谷部は尽くす系だな。

「ん。一口あげる」

ゼリーを口に含み、舌に乗せて見せれば赤面しながらも舌を絡めてきた。
かわい。

「おいしい?」
「は、はい」

ゼリーを軽く咀嚼して飲み込んだ長谷部は赤い顔で頷く。
俺もあげる!と隣に座る信濃がゼリーをくれたのでそれを食べると、山姥切が深くため息をついた。

「おい、話があるんじゃなかったのか」
「ああ、そう。明日から私の指導員?が来るらしい」
「指導だと?」

私よりもカチンときた様子で大倶利伽羅が眉を上げた。
本丸襲撃関係で詰められたとでも思ったのだろうか。
肩をすくめて首振る。

「霊力の使い方を教えてくれるんだって。結界とか張れるようになるらしい」
「そういう指導か」

山鳥毛が苦笑する。
お前もか。
どいつもこいつも血の気が多い。

「だから明日からもう一人分増える」

燭台切を見れば、彼は一つ目でにっこり笑って任せてよ、と言った。
今でもかなりの人数分を作っていると思うが大丈夫だろうか。
まあ、燭台切や大倶利伽羅が中心というだけで他の人も手伝ってはいるから大丈夫なのだろう。

「あと今日エッチしてくれる人募集」

手をひらひら上げれば、真っ先に長谷部が手を挙げた。
が、燭台切もおずおずと手をあげる。
意外。

「じゃあ、年功序列で、燭台切」
「くっ!」
「ごめんね、長谷部くん」
「主、年功序列だと今後山鳥毛が最も採用率が高くなりますので、ここは公平を期すためにも採用方法の変更を提言いたします」
「あんたらの年齢なんて知らないし年功序列はここ来た順だから山姥切が一番上。まあ、誰か一人とずっとするわけじゃないし良いでしょ」
「承知いたしました……」
「はい、以上」

みんなが集まっているから話し始めたが、食事自体はまだデザートのゼリーを食べている私以外全員終わっていたので、解散していいよ、と流れを作れば、一番に立ち上がった山姥切を皮切りに、他の人たちもぱらぱらと立ち上がって流しにお皿を持っていく。
食事は遅い方なので、女子と食べようが男と食べようがたいてい私が最後なので慣れている。
信濃と秋田もお皿を下げて、テーブルに戻ってきた。

「信濃兄さんが来てくれて嬉しいなぁ」
「可愛いやつめ!」

信濃が秋田のピンク髪をかき混ぜた。
暖色髪色家系か?

「そこは兄弟なんだっけ?」
「そうです!同じ粟田口吉光作の短刀なんですよ」
「アワタグチヨシミツサク……」
「鎌倉生まれなんだよ。ねえ大将、俺のこと懐に入れてくんない?」
「Tシャツの懐ってどこ」

信濃から短刀を渡されたので、Tシャツの裾をシャツインして首元から入れてみる。
短刀とはいえ、ナイフみたいにこじんまりしておらず中々でかいので違和感はものすごい。
なにこれ。

「わ、わっ!ず、ずるいです!主君!僕も……!」

秋田も首から入れれば、まあまあ重量のある刀二つに首を傾げる。
まじで何これ。
ゼリーを食べ終わり、謎の儀式も終了、とインしていた裾を出して二本とも二人に返す。

「打刀以上にはできないこの包まれてる感がいいんだよなぁ」

信濃の言葉にさらに首を傾げる。
キッチンで洗い物をしている鯰尾が聞こえていたのかそわそわとこちらを振り返って「何やってるんですかー!」と吠えた。

「何でもないよ鯰尾兄さん!」
「絶対うそ!」
「大将内緒ね!」
「はいはい」

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