▽ 16
落ちる。
バッキーがハッとレーナを振り返り、庇おうとする。
彼女の絶望する顔が見えた。
間に合わない。
迫るプロペラが彼女の胸を貫いた。
「レーナ!!」
バッキーが降り注ぐ瓦礫に強かに打ち付けられる。
まずい。
意識を失ったバッキーを引き寄せ、着水と共に岸へと泳ぐ。
バッキーを陸に上げ、再び水の中に潜る。
彼女は。
視界が霞むほどの血の先に、胸を貫かれたレーナがプロペラの破片と共に水底へと沈んでいるのが見えた。
あれは、もう……。
彼女のコードネームを表す虹の光を背に、水面へと浮上する。
前 | 次
戻る