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かいぞく。



敵襲だって、ラクヨウさんが教えてくれた。
――かいぐんかかいぞくかはそとにでないとわからない。でもきっとすぐおさまる。だからあんしんして、おれのちかくにいろ。

ラクヨウさんはそう言うのに、頭がうまく機能しなくて、その言葉がうまく理解できない。一生懸命動かしてる足がもつれそうだとか、すごく息があがってるだとか、そういうのはラクヨウさんに抱えられるまで気付かなかった。

ラクヨウ!と呼ぶ声が聞こえて、その声にもびっくりして固まった。ラクヨウさんは気にせず、声の人と大きな声で話してる。

「相手は海賊だ!そんなに名の知れたやつでもねぇらしい!」
「その声フォッサか!いいとこに来た、外に行くんならエースにフロートはおれが保護してると伝えてくれ!おれは室内にいる!」
「わかった!」

どたどたと床を走る音がたくさん聞こえて、また固まる。固まるよりも、縮こまってる感じだ。

「よし行くかフロート!」
「……え」

どこに、という前に、ラクヨウさんは私の頭を撫でた。撫でるというよりは、潰す勢いだったけど、わしゃわしゃと髪の毛を乱したあと、ラクヨウさんは駆け出した。

(待って…待って……っ!)

どこにいくの。なにしにいくの。
ばくばくと心臓がうるさくて、走ってる振動なのか頭もぐわぐわして、言葉もうまく聞けないからこわくて。
――まって、まってラクヨウさん。
頭の中に、島のことが、村のみんなのことが、浮かんでくるんだ。
ラクヨウさん、ねぇ、さっきのひととなにはなしたの?いまどういうじょうきょうなの?
ふあんなんだよ。こわいんだよ。
みんなをおもいだすから。
ねぇ、ラクヨウさん。どうしてはしってるの?ねぇ…。

ねぇ、ねぇ、ラクヨウさん…まってってば……まってよっ!


「! フロート!?」


ぐあって、抱えられてた身体を起こして、その腕からすり抜けて。
そのまま――走り出した。



こわい、んだよ。こわいよ。ずるいよ。
どこにいってもあぶないことはあって、それが続くならだって、私がわるいみたいじゃないか。
だれもわるいことしてないのに。
このひとたちだって、わるいひとじゃないと思ってたけど、
それも全部ぜんぶ、うそに思えちゃうんだ。


「おじさ…っおじさ、んっ…ごめんなさい……ッ」


海は、危ないところだって。
ここは海賊船で、海軍とも海賊とも戦うから、命と隣合わせなんだって。
最初に、マルコさんが言ってたじゃないか。
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