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2011バレンタイン


「あづさちゃんどうかした?」


甲板でぽつんと一人、珍しくうんうん唸っている姿を見つけた。
日頃割とぼんやりしている上に、あまりマイナスな感情は見せない彼女が悩ましげなのは少し珍しい。


「……もしかして」
「うん?」
「こっちって、バレンタインないんですか?」
「………うん?」


なあに、それ。と首を傾げる。俺同様あづさちゃんが気になっていたらしいクルーも、きょとんとした顔をしていた。
どうやら誰も、知らないらしい。


「あ、ない感じですか?うわ良かった〜、流石にお金ないのにこの人数は無理だと思ってたもので…!」
「? 何か欲しいものでも」
「ないです。先に謝っておきますごめんなさい」
「へ?」


辺りみんな唖然。
言った本人は苦笑しながら頭を下げてから逃走。

まぁ所謂、言い逃げ、みたいなさ。


「…………えっと?」






ハッピーバレンタイン!




船長さん船長さん、何も言わず、というか他言せず受け取って下さい!別に怪しいものじゃないので!あ、チョコ好きですか?

………ちょっとは落ち着かねェか
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