menu
top    about    main

青い海を捨てる(2/2)


「―――マルコッ!!」


あづさが、いねェ!!


自称あづさの世話係である末っ子が、そう言ってドアを蹴破った。
ちなみにそいつが伝えた事実は、もうみんな気づいてる。昼飯食って一通り騒いだあとから、誰も姿を見てねェ、ってな。
………まぁ、昼寝してたエースは今気付いたんだろうけどな。

「知ってる。おれたちも一通り探した」

―――でも、見つからねェ。


慎重で冷静な長男が、珍しく焦ってるのがわかった。それに張り詰める空気が重なって、この状況が深刻だと告げてる。

「見つかんねェって…なんでッ!!」

感が鋭いエースは、この空気も察知したらしい。

焦ってる。こいつも。
きっとなんか違うものを感じて。

―――けど、


「そうかィ……やっぱそっちを選んだか」


静かな部屋に声が響いた。
おれとしちゃァ、小さく言ったはずなんだけどなァ。

「………どういうことだい、イゾウ」
「お前……なんか知ってんのか!?」

静かな長男と騒ぐ末っ子。
何から何まで正反対な二人に、思わず笑いが漏れた。


―――勿体ねェこと、したもんだねェ。

あづさ。


お前を大事に思ってたのは、何もそこのバカサッチだけじゃねェさ。



「――帰った」


自分の、世界に。



そう、今度はハッキリと言い放つ。
文句?言えるわけねェよな。あの子が自分で決めて、自分の意思で帰ったのだから。

誰にも、告げずに。

それも彼女が選んだこと。


「おれと一緒にいる時に、帰る方法がわかっちまってなァ。……自分で選ばせた」
「方法って……」
「さァな。どうもおれには、理解出来ねェことばだったが……アイツには十分らしい」


――絶対ですよ、イゾウさん

戒めのような言葉が、頭に響く。

(……わかってるよ、)


「諦めろ。あづさが選んだのは、おれ達じゃねェ」


考える時間は与えた。おれ達にはおれ達の、アイツにはアイツの大事なもんがある。
強制なんか………出来やしねェんだ。

ここにいる誰にも。

当然……おれにも、な。






lost






さようなら。サヨウナラ。


本当は、?
- 27 -