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サナギがいつか蝶になるように
ぐっ、と。
喉にあったヒリヒリを押し込んだ後、リーゼントさんにぐしゃぐしゃと髪を撫でられた。
痛いです!言いながら手を振り払おうとしたら、避けられた。でも代わりにリーゼントさんのリーゼントに手が当たってぼよよんと上下しちゃったりなんかして、船長さんは大変愉快そうでした。私としては申し訳なさすぎる………。
けどそこでリーゼントさんは私が海にダイブしたのを思い出したらしく、着替えなきゃじゃん!と復活。いやいや、女の子の着替えないとか言ってませんでしたっけ。
「マルコ、サッチ。………弟の恩人を水浸しのままたァ、良い持て成ししてんなァ」
びく!と、マルコさんとリーゼントさん………もとい、サッチ、さん?が固まる。かと思えば一瞬で解凍して……………ちょ、両腕ホールドとか何事!?
「親父、失礼するよい!」
「ナースさんとこ行くぞマルコ!」
「よい!」
「え、ちょ!」
ぐわん。脳ミソ一気にシャッフルされる感じがして、私は右にマルコさん。左のサッチさん。そして重要なのは私が後ろ向きという大変怖い体制のまま歩き出された。しかも速いんですがあのおおおお。
みぎゃああああ!とかおよそ女の子とは主張出来ない叫び方をしながら、二人の両腕にしがみつく。何故か?両足が浮いてるからだよ何この人達!
「おろ、お、おろして!」
「いやごめんねあづさちゃん。おろして上げたいけど、俺達がおろされちゃうから!」
「親父の拳骨は、痛ぇ、よい…!」
駄目だ、ただの子供だこの人達……!
よっぽど船長さんが怖いのか…まぁ確かにわからなくはないよ?あの時なんとなく怖い感じしたし。
でも、部屋出るとき――笑ってた。
慈しむ、って。男の人に使うのは変な気もするけど。
きっと、船長の目に写ったのはそういう感情。
だから心配する事ないんじゃないかとも思ったけど、さっきから大人の対応をしてたこのお二方がこんなに必死って事は、やっぱりどっか怖いのかな。
バタン!勢いよく扉が開いて……待ってどうやって開けた…うん、まぁ開いて。そこでやっと走るのも止まり地に足が着いた。絶叫系に乗った後の気分だ……。
「ナースさん方、この子、今日から暫く預かる事になったから」
「服とか、頼んでいいかい?」
ぜえはあ言いながらお二方が誰かと話してるけど、私は気分が悪くてそれどころじゃない。
ナース?なんざんしょそれ、とは思ったからふらっとしながらも後ろを見れば。
まさに、白衣の天使。
内はねショートカット。ブロンドの髪をしたプロポーションばっちりなお姉さまがいらっしゃいました。
バトンタッチと言わんばかりに解放され、二人はじゃあ後で、とか言って出ていった。え?置き去り?
そろりともう一度ナースさんを見てみれば、白衣の天使がエンジェルスマイルでふふ、と笑った。美人過ぎる……!
考えて見れば会う人会う人外国人っぽい人が多い。この世界では、そんな人ばっかなのかな………言葉通じてるから、良かったけど。
「あなたね?エース隊長を助けてくれた人」
「エース隊長?」
「ええ」
「それって上半身半裸のカナヅチの方?」
「そう。目の下にそばかすのある」
いや、そこまではわかんないっス………と素直に言ってみれば、後でまた会えるわ、って上品に笑われた。
そうか、彼はエース、というのか。なんだか優秀そうな名前だなぁ、溺れてたけど。
名前負けしてますね、とか大変失礼過ぎる事を言いかけたけど、ぐっと堪える。……ちょっと待って。
まただ。
また、何か引っ掛かった。
「…………隊長?」
「あぁ……人が多いから、各隊に分かれてるの。エース隊長は、その二番隊長」
「…………あの」
「なあに?」
「凄く、今更の質問してもいいですか」
―――この船、何の船なんですか?
服を二、三着手にしていたナースさんはきょとんしてから、マルコ隊長達はそんな事も説明しなかったの?と驚いた。
マ、マルコさんも隊長さんだったのか……よいよいさんとか言ってまた失礼を…!素敵なお御髪だと後で誉めておくべきかな!?
おっと、と首をぶんぶん振って、意識を持って帰る。
違和感は解決しとかなきゃ。さっきみたいに、なる前に。
じっとナースさんを見つめれば、ナースさんは困ったように笑った。それが何だか不安に思えてきて、私も思わず困った顔になった、気がする。
そして、彼女は困った顔のまま、言った。
「あのね、この船は――――海賊船なの」
- 5 -
喉にあったヒリヒリを押し込んだ後、リーゼントさんにぐしゃぐしゃと髪を撫でられた。
痛いです!言いながら手を振り払おうとしたら、避けられた。でも代わりにリーゼントさんのリーゼントに手が当たってぼよよんと上下しちゃったりなんかして、船長さんは大変愉快そうでした。私としては申し訳なさすぎる………。
けどそこでリーゼントさんは私が海にダイブしたのを思い出したらしく、着替えなきゃじゃん!と復活。いやいや、女の子の着替えないとか言ってませんでしたっけ。
「マルコ、サッチ。………弟の恩人を水浸しのままたァ、良い持て成ししてんなァ」
びく!と、マルコさんとリーゼントさん………もとい、サッチ、さん?が固まる。かと思えば一瞬で解凍して……………ちょ、両腕ホールドとか何事!?
「親父、失礼するよい!」
「ナースさんとこ行くぞマルコ!」
「よい!」
「え、ちょ!」
ぐわん。脳ミソ一気にシャッフルされる感じがして、私は右にマルコさん。左のサッチさん。そして重要なのは私が後ろ向きという大変怖い体制のまま歩き出された。しかも速いんですがあのおおおお。
みぎゃああああ!とかおよそ女の子とは主張出来ない叫び方をしながら、二人の両腕にしがみつく。何故か?両足が浮いてるからだよ何この人達!
「おろ、お、おろして!」
「いやごめんねあづさちゃん。おろして上げたいけど、俺達がおろされちゃうから!」
「親父の拳骨は、痛ぇ、よい…!」
駄目だ、ただの子供だこの人達……!
よっぽど船長さんが怖いのか…まぁ確かにわからなくはないよ?あの時なんとなく怖い感じしたし。
でも、部屋出るとき――笑ってた。
慈しむ、って。男の人に使うのは変な気もするけど。
きっと、船長の目に写ったのはそういう感情。
だから心配する事ないんじゃないかとも思ったけど、さっきから大人の対応をしてたこのお二方がこんなに必死って事は、やっぱりどっか怖いのかな。
バタン!勢いよく扉が開いて……待ってどうやって開けた…うん、まぁ開いて。そこでやっと走るのも止まり地に足が着いた。絶叫系に乗った後の気分だ……。
「ナースさん方、この子、今日から暫く預かる事になったから」
「服とか、頼んでいいかい?」
ぜえはあ言いながらお二方が誰かと話してるけど、私は気分が悪くてそれどころじゃない。
ナース?なんざんしょそれ、とは思ったからふらっとしながらも後ろを見れば。
まさに、白衣の天使。
内はねショートカット。ブロンドの髪をしたプロポーションばっちりなお姉さまがいらっしゃいました。
バトンタッチと言わんばかりに解放され、二人はじゃあ後で、とか言って出ていった。え?置き去り?
そろりともう一度ナースさんを見てみれば、白衣の天使がエンジェルスマイルでふふ、と笑った。美人過ぎる……!
考えて見れば会う人会う人外国人っぽい人が多い。この世界では、そんな人ばっかなのかな………言葉通じてるから、良かったけど。
「あなたね?エース隊長を助けてくれた人」
「エース隊長?」
「ええ」
「それって上半身半裸のカナヅチの方?」
「そう。目の下にそばかすのある」
いや、そこまではわかんないっス………と素直に言ってみれば、後でまた会えるわ、って上品に笑われた。
そうか、彼はエース、というのか。なんだか優秀そうな名前だなぁ、溺れてたけど。
名前負けしてますね、とか大変失礼過ぎる事を言いかけたけど、ぐっと堪える。……ちょっと待って。
まただ。
また、何か引っ掛かった。
「…………隊長?」
「あぁ……人が多いから、各隊に分かれてるの。エース隊長は、その二番隊長」
「…………あの」
「なあに?」
「凄く、今更の質問してもいいですか」
―――この船、何の船なんですか?
服を二、三着手にしていたナースさんはきょとんしてから、マルコ隊長達はそんな事も説明しなかったの?と驚いた。
マ、マルコさんも隊長さんだったのか……よいよいさんとか言ってまた失礼を…!素敵なお御髪だと後で誉めておくべきかな!?
おっと、と首をぶんぶん振って、意識を持って帰る。
違和感は解決しとかなきゃ。さっきみたいに、なる前に。
じっとナースさんを見つめれば、ナースさんは困ったように笑った。それが何だか不安に思えてきて、私も思わず困った顔になった、気がする。
そして、彼女は困った顔のまま、言った。
「あのね、この船は――――海賊船なの」