Patronus
それは、守護霊の呪文だった。
光にディメンターは追いやられ、追い出されると、ガチャンッと鍵が掛かって締め出された。
「大丈夫だったか!?」
ディメンターを退治した人物は、アレイストだった。
5年生になるアレイストは家柄も有り、かなり高等な呪文も使いこなす様になっていた。
「アレイスト…ありがとう。大丈夫よ。」
「あー、その………ありがとう…。ええと、…無事だ。」
アレイストのお蔭よ!と晶は目を輝かせ、周はそういえば、と何かに気づいた様だった。
「アレイスト、お前…さっきの、無言呪文だろう?いつの間に…」
守護霊の呪文自体高等な魔法だが、無言呪文になるともっと難しくなるのは必然だった。
そんな周の問いに、アレイストは笑って答えた。
「オレは筆記科目はあまり得意ではないけど、実技なら得意なんだ。だから、それを磨けと親父殿に言われてね。」
ふうん、と周は返事をして真剣に思考を巡らせ始めたが、緊張して疲れたのかまた眠り始めた晶にもたれる様に、いつの間にか眠っていた。
そんな二人を見ながら、アレイストはふふ、と微笑んだ。
「あと10分程だけれど…お休み、リトルステラたち。」