闘神太子
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いつも客間として使うように言い渡されている部屋にナタク様をお通しし、ご要望通りにお茶の準備をする。
お湯を沸かしている間、お茶請けは何にしようかと探していると、突然ドアが開け放たれた。
「探したぞ、ナタクよ。こんな所で何をしている?明日の出陣の準備は終えたのか?」
「はい、滞り無く。ですからここでお茶を」
「そうか。ならばよい」
それだけ言い去って行った李塔天様に、ナタク様は僅かに目を伏せる。そしてそんなナタク様に、私はいつも罪悪感を覚えてしまう。
「ふーっ。……白羅、お茶はまだか?」
「はい、ただ今」
しかし、溜め息と共にふと私の方へと向けられる視線には、同情といった類のものでは無い情が確かに沸き上がるのも然り。
「父上も誘った方がよかったか?」
悪戯に、無邪気にそう言っては見つめるナタク様は、今では唯一殺生が許されている闘神太子。
「何度言わせるおつもりですか?私の煎れるお茶はナタク様以外のお口には合わないのですよ」
「ははっ、悪い悪い。忘れてたよ」
息が詰まるのでしょう?周囲からの期待と好奇な目。そして己の先に。
「またお戯れを……。さあ、粗茶とも呼べぬお茶がはいりましたよ」
私の冒した禁忌とこれから冒そうとしている禁忌。
それをナタク様が知ってしまった時には、迷わず闘神太子だけに許された権限を、私に。
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