不浄なる者
(2/6)
──日々繰り返される。
僅かな灯りが入り込むだけの小さな窓しか無いこの部屋で、幾日も幾日も小さな画面に向かい、無機質な記号配列を作り上げる。
何度も繰り返しシミュレートし、その中で確実なる結果だけを打ち込んでいく。
それはただの知的探究心から始めた"暇潰し"なるものだったが、閉鎖的な天界では理解される事は無く、いつの間にか危険因子というレッテルを貼られ、今では忌み嫌われる存在となってしまった。
そしてそれだけに止まらず、ある日、その"暇潰し"は非道で倫理的にも反する非道なものだと、懲罰房行きという沙汰が下された。
世に出すつもりなど微塵も無く、本当にただの"暇潰し"だと言った所で、不浄という烙印を捺された者の言葉など聞く価値も必要も無いのだ。
心も身体も責められ続け、なんと愚かな事をしてしまったのかと自責の念に駆られるも束の間。その間にもっと悍ましい事態が推し進められていたのだ。
それから私は休む事もなく、ただひたすら画面に向かう。
既に"暇潰し"とは呼べなくなったこの研究がいかに恐ろしいものだったか知り得た今でも、背後で眠る沢山の"子供達"を助けるため……。
実行する気は無かったとは言え、浅はかな私の犠牲者となってしまったあなた達を背に、その一心で私は今日も画面に向かう。
時折、窓から見える桜の木に心の中から声を掛け、風に揺れた花びらを見ては込み上げてくる罪悪感。
これ以上あなた達を利用させはしない。
それがせめてもの償いであるかの様に、そう言い聞かせては画面に向かう。
幾年も幾年も。
私はそうして過ごしてきた──。
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