不浄なる者
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李塔天様はバタンと大きな音を立ててドアを閉め、私が逃げ出さない様にとガチャガチャと耳障りな施錠する音を響かせた。
「良いものを見せよう」
無理矢理腕を掴まれ、半ば引きずるられる様にして更に部屋の奥へと続く階段を下りて行く。
「李塔天様……一体何をお考えになっていらっしゃるのですか……」
訳も解らず、強引に引かれる腕に足元をよろめかせながらも階段を下って行くと、厳重に施錠が施された重々しい扉が目の前を立ち塞いだ。
「この部屋は……」
そう言葉を漏らしているうちに鍵は外れ、その扉はギィッと不気味な音を立ててゆっくりと開かれていく。
そしてその扉の向こう。
そこにあるものを目にした時に、私の心臓は未だ嘗てない程に激しい鼓動をうちつけていた。
「実に良く出来た"暇潰し"であった。お陰で我が一族にも繁栄の道がひらけたというものだ」
「こ……れは……」
鼓動が邪魔をして上手く言葉が出てこないかわりに、私は一歩踏み出した。
そして更に数歩踏み出した時に初めて自分の罪の重さを知った。
硝子に囲まれた狭い空間。
そこに漂うは造られた赤子達──。
サーッと血の気が引き、無意識の内に震える身体。この子達にかける言葉などあるはずも無い。
目の前の事の重大さに驚愕し、ただ立ち尽くすばかりの私に、李塔天様は更なる激震を落とす。
「さあ見るがよい」
気が狂いそうになるのを必死で耐え、恐る恐る振り返えった刹那。私はその場に崩れ落ちた。
「紹介しよう。私の、息子だ」
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