不浄なる者
(5/6)
人の言う一月ほど懲罰房に入れられ、その後は数ヶ月に渡っての拘束という名の投獄。
しかしある時突然、目の前の鉄柵から李塔天様の手が差し出された。
「可哀相に。辛かっただろう?」
その声は至極穏やかで、その声を聞いた途端に私の強張った体から力が抜けた。
「李……塔天様……」
思ったよりも消え入りそうな私の声に頷く李塔天様は、静かに鍵を開けて私の前に歩み寄る。
「もうこんな所に居る必要は無い。上層部と話をつけてきた。……付いて来なさい」
そう言われるがまま。
実に久方ぶりに立ち上がった私が李塔天様の後を辿って行くと、とある一室の前で立ち止まった。
「上層部とは話がついたとは言え、まだまだ異論を唱える者も多いであろう。暫くはこの部屋に身を寄せなさい」
何故李塔天様が私を助けて下さったのか些か引っ掛かりを感じるも、それでも懲罰房とでは天と地ほどの違い。それは答えるまでもない申し出だった。
「私の様な者にこの様な善処……。何と御礼を申してよいか……」
「礼などいらぬ。さあ、自由にこの部屋を使うがいい」
そう言いながらドアを開けた李塔天様の後に続いて入って行くと、見慣れた画面が光を発しているのが目に入った。
「李塔天様……、これは……」
「驚く必要はあるまい。お前の"暇潰し"ではないか」
そう言い放った李塔天様は初めて鋭い視線を向け、この部屋に私を押し込んだのだ。
.
- 5 -←|→
List|Top|Main>>
Index