単純過ぎて理解し難い
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――ガウン!ガウンッ!
……何で当たんないんだよー!
わたしは苛立っていた。あの、蜘蛛女の時の事を思い出す度に。
わたしはあの夜も眠れなくて散歩に出ていたんだ。妖怪はわたしが三蔵一行に加わったとは知らなかった様で、散歩から帰り、破壊された部屋のドアを見て驚き皆のもとへ駆け付けたが、その時は八戒にただ庇われて終わったという情けなさ。
そこで、苛立ち眠れぬ夜を過ごしていたわたしは、時間を有効に使う為、皆が寝静まってから銃の特訓をする事にした。
この間襲ってきた妖怪はわたしの事を知っている様だったし、今度はあんなカッコ悪い所なんて見せられない。
足手まといのままじゃいられない。そう思って銃を構える。
――ガウンッ!
……大分ブレなくなってきたけど、やっぱり三蔵みたいにはいかない。
何気に筋トレとか走ったりとか地味な事もちゃんとしてるんだけど、やっぱ簡単じゃないね、生きる術って。
まぁ一週間やそこらじゃこの辺が関の山だろうけど。
わたしは木に寄りかかり汗を拭う。ふと見上げれば東の空が明るくなってきていて、わたしは早朝の澄んだ空気と心地よい疲労の為にそこから動けず、軽く目を閉じて自然に身を預けた。
元居た世界では、こんな事をする暇もなかったな……。あー、借金どうなったんだろう。もうチャラでいいのかなぁ?
そんな事を考えながら空を見ていると、突如として物騒な音が近くを掠めた。
――ガウンッ!
「うわっっ!!!」
わたしが突然の銃声に驚き飛び起きると、目の前には早朝の朝日を浴びて金色に光る、なんとも神々しい三蔵様が立っていた。
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