単純過ぎて理解し難い

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「三蔵、急に撃たなくてもいいじゃないの……」



わたしは服に付いた汚れを払いながら呟いた。

すると三蔵は、わたしが的にして木に貼り付けていた紙や、穴の空いた空き缶を見て静かに嗤う。


「フン。これじゃあ当分は足手まといのままだな」


そう言ってわたしの隣に胡座をかき、煙草に火を点けてひと吸い。

三蔵から吐き出される煙がゆらゆらと上り消え行く様を見ていたら、三蔵が驚くべき事を口にした。


「おい、撃ってみろ」

「………三蔵を?」



――スパーン!


痛……っ!
ちょっとボケただけじゃんか。普段の三蔵からは想像つかない事言うんだもん。



そんな事を思いながらも三蔵からのありがたい申し出をうけ、わたしは的の前に立ち銃を手に取った。



――ガウン!



的にはなんとか当たったものの及第点には遠く及ばず、それを見た三蔵の厳しい顔が末恐ろしい……。


しかし三蔵はわたしに的確なアドバイスをくれる。



「両手で支えてる内は実践じゃ厳しい。銃を地面と水平にしろ。すこしはマシになんだろ」



わたしはとりあえず三蔵の言う通りに手首を返し再度銃を撃った。



――ガウン!



その時は的には当たらなかったが、兼ねてから撃った時の衝撃をどうしたものかという、かなりお手上げ状態の悩みを解決する道を見た気がした。

あんなに体勢を崩して銃を撃っていたのに、三蔵のアドバイス通りにしたら確かな手応えを感じたわたしは大いに驚いた。

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