単純過ぎて理解し難い

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こいつは何でこんなに笑っているんだ?


確かに何年も楽しい事なんて無かったんだろうが、俺からしてみれば今だって笑っていられる状況には見えねぇ。


いきなり野郎共の中にぶち込まれ妖怪退治の旅だぞ。


「何でそんなに笑っていられるんだ?」



俺の口から無意識の内に言葉が漏れた。それをしっかり聞いていたなまえは俺に言った。


「生きてるからだよ」

「……フン。単純過ぎて理解し難い」



二人で同時に吐き出した紫煙が絡み合い、陽の昇った空に霞んでいく。それ以上言葉を交わさなくても、不思議と居心地は悪く無い。



「死んだら俺が笑ってやるよ」



俺はそう言って立ち上がり宿に足を向けた。



「あっ、待ってよ三蔵」


なまえは慌てて追い掛けてくるが、俺は歩く速度を落とさない。



待たねぇよ。



これ以上あいつの笑顔を見てたら俺まで笑いたくなるじゃねぇか。

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