残るは虚無

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「ふーん、じゃあ今回は悟浄の兄貴とは別人だったんだ」

「多分な。兄貴は銀髪じゃねぇし、まイイってことよ。お互い生きてりゃその内どっかでスレ違うくらいはするだろ」



夕焼け空に向かって走り出すジープの中で、目覚めぬなまえを乗せて思いを馳せる悟浄。



「……しっかしアレだな。フリーのイイ女は中々居ねーよ」



燃える様な真っ赤な恋。


なまえがそう言ってた事を思い出した悟浄はなまえの髪をそっと撫でた。



「それにしてもなまえって冷てーよなっ」


悟空はなまえがよく独りになりたがる事が気に入らないのか頬を膨らませる。


「なまえはずっと独りだったんだ。まだ慣れてねーだけだよ」

「きっと、僕達が思ってるより寂しい時を過ごして来たんだと思いますよ」



くだらねぇ。
一体何だってんだ。
過去なんて振り返ったって何の得にもなりゃしねぇってのに。



何に負い目を感じてる?
誰に引け目を感じてる?



お前が殻をぶち抜いてくんのを待ってる奴がここに居んだ。



早く出て来い。




てめぇで出来無ぇなら
俺がぶち抜いてやる。

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