流されてみるのもいい

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八戒の気功のお陰で掻き毟った傷は綺麗になった。


「ありがとう。……それにしても気功って凄いんだね」

「どういたしまして。でも気功には限界がありますからね。酷い傷や怪我になるとやはりお医者様が必要なんですよ、なまえ」



にっこりと優しく撫でるような笑顔で、八戒は"お医者様"という言葉を強調して言う。


それは、わたしの事を言ってくれているの?



「そーだよ。なまえちゃんが居なかったら誰が俺を看てくれんのよ?」



そばで見ていた悟浄はわたしの頭をくしゃっと撫でて笑う。



「本当だよな。悟浄はなまえに一番お世話になってるもんなっ」


そう言って屈託のない笑顔を向ける悟空。


「流石馬鹿猿。意味を履き違える天才だな」

「なんだとっ!エロ河童っ!」

「やるかっ?脳味噌胃袋猿!」



――スパーンッ!



「死にたく無かったらさっさと出て行け」



いつ見ても鮮やかなハリセンが舞うと、八戒は二人を連れて部屋を出て行く。



"おやすみなさい"



眠れぬ夜でも、皆が見る夢を見てみたくなったよ……。




そんな気持ちに流されてみてもいいんじゃない?

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