欠員2
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今夜はいつにも増して眠れない。宿の入り口から少し離れ、きっと来るであろう男を待つ。
煙草の煙を見つめながらぼーっと待っていると、宿の入り口から明かりが漏れた。
「おっそーい。わたしを待たせるなんて流石だね、悟浄」
「男にはいろいろと準備があんのよ」
悟浄はそう言いながらゆっくりと近付き、わたしの目の前で立ち止まり溜め息を吐く。
「ほんとに俺と一緒でいいワケ?」
どうしても確かめたい。だけどそれは、三蔵と一緒じゃ無理だから。
「……うん」
わたしが真剣にそう頷くと、悟浄はさっと手を差し出し悪戯な笑顔を向ける。
「そいじゃ神様の所までデートといきますかっ」
菩薩が言う他にも、わたしがここに来た理由があるんじゃないのか。
何の目的も持たないまま旅するよりも、もっと明確な答えが欲しい。もっと確かな繋がりが欲しい。
この世界で生きていきたいから。
──神様に会いに行こう。
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